こんな時間は、滅多にあるもんじゃない。買い出し組と、ただの観光組と、それと迷子。全員出払ったのを見計らって、新しいスイーツでも考えようと思ってたのに。
「なんだルフィ、行かなかったのか」
「ん、きょうは釣り」
「腹へらないか?」
「あれば食う」
んー。二人っきりか。
キッチンに向かいながら、デッキで釣りをする船長を想っては溜め息を吐く。恋する乙女かよ俺は。切なさたっぷりじゃねぇかまったく。かわいいもんなぁ、うちの船長は。そりゃもう、とびきり。
「お待たせいたしました、船長」
「うお、うまそう」
「つまらないものですが」
title/蘇生
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