胸が痛い。
こうして恋は終わってゆくんやろか、とどこかで見ている偉い神さんに問いかけながら、そんなに簡単に捨てられるならば、とうの昔に捨てただろうと思い直す。

坊のあのこはとても可愛らしくて、手を繋げば柔らかそうで、キスをすれば天にも昇る気持ちになるだろう。さらさらと流れる長い髪と、白い陶器みたいな細い腕。坊はあのこを男らしく守るだろう。そしてあのこは坊をやさしく包んで、坊を苦しませるすべてから守ってくれるだろう。お似合いなのだ、ふたりは。美女と野獣よろしく、自分には立ち入る隙もない。

「坊のこと、すきです」
「はぁ?」
「や、こんな感じの告白やったんかなあて。」
「茶化すなや」

坊のこと、好き、です。
だからあのこと幸せでいて。
願うたび、願うたび、胸が痛い。









title/蘇生

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