「電気、つけたらいいのに」
眠っていた。なんだか気配を感じて目を開けると、いつやって来たのか、足元に椿が座っていた。監督、よく眠ってたからと答える椿の声から、暗闇でも照れ笑いしてるのがわかる。馬鹿だなぁ、かわいいなぁ、ひとりじめしたい。こちらもおもわず顔がにやけ、未だ暗い部屋にほっとする。
「何時?」
「たぶん、2時くらいだと」
「じゃあこのままいっしょに寝るか」
「え、あ」
「素直にハイ」
「はい」
がさごそと布団に入ってきた椿を抱き枕にして、さっさと目を閉じる。所在なさげにぴんと伸びた椿の体から、めいっぱい緊張が伝わる。
「きょうはエッチなことはなしな」
「お、おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
恐る恐る抱きついてくる椿の腕に、また顔がゆるむ。
なんだかいい夢見れそうだな。
title/蘇生
110922