不思議な子やなあ。眩しい子やなあ。めまぐるしい子やなあ。無邪気ゆうか無垢ゆうか、あんな笑顔どないしはったらできるんか。それでいて、みんなの気づかんとこで、えらい哀しげな顔も見せたりして。

「なぁ坊」

坊のあげはった、なんや、前髪とめるやつも、すっかり奥村くんに馴染んでるし。ええなあ。羨ましい。俺もなんかあげたりしたいんやけど。なんやろ、奥村くん、いまいち俺には優しくないゆうか、眼中にないゆうか、わ、まさか嫌われてるんやろか。

「なぁ坊。奥村くん、俺のこと嫌いなんやろか」
「奥村ぁ?知るか」
「志摩さん、どないしはったん、えらい思い詰めた顔ですけど」
「はぁ。なんやろ。告白もせんと失恋した気分」
「なんなんこいつ、うっとおし」
「まぁまぁ坊。志摩さんにも純情な人らしい感情があったんやぁゆう事ちゃいますか」
「さらっとえげつないなぁ、子猫さん」

こんなに熱い視線を送っても、こっちを振り向きもせんて、ちょっと絶望的な気もするけども。
なぁ奥村くん、どうやら君のこと、なんやすきになってしまったみたいです。










title/ランプ

110811
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -