覆い茂る森の中で
青い空!白い雲!
振り返れば、黒い背景に赤い雲の装束を身にまとった銀髪オールバック!
アンバランス!
「外に連れてって、て・・・ほんとにこれくらいで教えてくれんのかぁ?」
「だってアジトの中一日中薄暗いんだもん!久々に外の世界を拝みたいよ!」
もちろんアジトの中も大好きだけどと呟けば、アジトが好きとか変わってんなと鼻で笑われた。
「いやぁ、お弁当作ってきたかいがあった!」
弁当?と首をかしげる飛段に手元にあるバスケットを見せれば、嬉しそうに目を輝かせた。
子どもみたい。
「弁当とか何年かぶりだぜ!ゲハハ!」
「ちょっとなにさっそく食べようとしてるの、まだ朝じゃないですか!」
「えー食わねぇのかよ久遠ちゃんよぉ!」
「お昼になったらね!」
バスケットを木の根本に置く。
それよりあたしはしたいことがたくさんあるんだ!
待てねぇよとぼやく飛段の背中に飛び乗る。
飛段は、おっ?と軽く驚いたような顔をして反射的にあたしがずり落ちないようにしっかりと固定してくれた。
「おんぶ?」
「さぁ飛段くん!大地を蹴って走りたまえ!」
「はぁ?」
「はーやーく!」
「?まぁいいけどよー、」
言い終わる前に飛段は地を蹴って高く跳んだ。
高い早い高い高い!
興奮して、あたしは子どもみたいにはしゃいでしまった。
忍の、異常なまでの脚力。
移動の仕方がかっこよくてずっとによによしてたんだよね!
「わーいっ!飛段サイコー!」
「ゲハハハ!もっとスピード上げっかぁ!?」
「うん!ハイスピードでっ!」
「行くぜぇ!?」
ギュンッ
あ、やばい息できない苦しいい!
「ぴっひっ、飛段苦しっぼへ!」
「んあ?あ、悪ぃ」
背中越しに飛段の胸板を叩けば、だせーなぁと笑いながら急降下してかっこよく地面に着地した。
飛段あなた見直したよ、案外気遣いもできるしゃないか!
「なんかまだやりたいことあんのか?」
「うんもちろん!手裏剣とかクナイ投げてみたい!」
やりたいことはたくさんです。