「・・・せまい」


暗闇の中で、サソリさんの不機嫌そうな声がする。
おしいれに立てこもってから五分くらい経った。今はかくれんぼ真っ最中である!
もちろん言い出しっぺはあたしだ。暗闇でサソリさんと二人きり・・・うっふんあっはんなコトが出来る!!と鼻息を荒くしていたわけだけど、それじゃあすぐに見つかってしまうということで今回はめちゃくちゃ我慢していた。でも、狭いのを良いことに抱きついてます!どや


「サソリさんおっきな声出しちゃだめですよ!」
「てめぇのほうがでけーんだよだまっとけ」
「んむ」


ああっ・・・!サソリさんの指がっ・・・!あたしの唇に触れ、触れ、てる・・・!
興奮で鼻血が出てしまいそうだ。
ふんふんとさっきよりも鼻息が勝手に荒くなる。何かを察したのか、サソリさんはスススとあたしから距離をとるように離れていった。いやん待って。もっと唇触ってて!


「くらくてよく見えねーが今おまえがすげーキモいのは気配でわかるぜ」
「あたしもサソリさんのさげすみの表情が目にうかびますぐふふ」
「まじではてしなくキモいよなおまえ」
「ありが」
「ほめてねぇからな」


遮られたァ!


「んもーつめたいですよぉサソリしゅわぁん」
「こっちくんなヘンタイ」
「そんなこと言ってぇ」
「いや今のおまえ冗談抜きでキモい」
「サソリさんってようしゃないですよね、そんなとこもす―――」


き、と続けようとしていきなり明るくなった視界に思わず目を固く閉じた。
そろーっと片目を開けた時、映ったのは「みつけた」と微笑む長門の姿を纏った天使だった「いや長門だよ。チ、お前のせいでみつかっちまっただろうが」

ドン、とサソリさんに背中を押されて長門の胸にダイブする。
子どもながらにしっかりとあたしを受け止めてくれた長門は、サソリさんに非難の目を向けた。


「あぶないだろう、サソリ」
「そいつは煮ようが焼こうがしなねぇよ」
「わーい長門、もうみんなみつけたの?」
「ああ。おまえたちがさいごだ。同じ場所にかくれてたんだな」
「こいつがかってについてきただけだ」
「せまいところ大好き!みっちゃくできるから」
「そうか」


キモいとまた呆れた目であたしを見るサソリさんと対照的に、長門は微笑ましげな目であたしを見て頭を撫でてくれた。マジ天使。


「さいしょはだれがみつかった?」
「・・・オイラ」
「デイダラちゃんんん!!会いたかったよおおお!どこに行ってたのおおお!」
「だーっ!くっつくな、うん!たった五分ていどはなれてただけだろうが!」
「デイダラは食堂のテーブルの下にいた」
「バカなのかおまえ?あんなとこすぐみつけられるだろうが」
「そんなバカなとこもかわいい!すき!」
「バカバカ言うな!」


さて、じゃあ次はデイダラが鬼だね!
そう言って笑えば、「まだやんのかよ」と本日何度目かのサソリさんからの呆れの眼差し。
そう言いながら、なんだかんだ付き合ってくれるから、好きですよ!!


みーつけた
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