とても長いマフラーを購入したとあらば、使い道はアレしかなかろうて。


「お前何語喋ってんの」


冷静な突っ込みもスルーして、じりじりと後ずさるデイダラを壁際に追い詰める。
来るなとか何たくらんでんだ、とか、あたしの表情と手元のマフラーを見て察しておくれよデイダラちゅわん!

自分の小さな背丈以上の長さのあるマフラーは少し持ち辛い。
下手すれば踏んで転んでしまいそ、


「うわあっ」
「はっ?・・・っぐえ・・・!」
「ころんでしまいそうとか思ってたらほんとにころんじゃったー!デイダラごめち☆」
「・・・・・お、ま、え、なぁ・・・・・!!!」


可愛らしくウィンクしてみても駄目らしい。
眉間にしわを寄せたデイダラはしかし、あたしの目にはとても可愛らしく映る。
怒ってるデイダラもまたそれで好き・・・萌え・・・!


「おまえ、かりにも女がそんな鼻ひろげてせまってくんじゃねぇよ、うん・・・」
「あきれ顔のデイダラちゃんもまたイイ!」
「親指立てんじゃねぇ!うぜぇ!」
「もっとののしってぇん!」


キモ、とぼそり呟いたデイダラは、あたしを押しのけて起き上がった。
そして手を差し出してくる。・・・ここでさっさとどっかに行っちゃわないあたり、デイダラのツンデレなあたしの萌えポイントだ。
差し出された手を掴んで、引き寄せる。驚き顔のデイダラはなす術なく、もう一度、今度はあたしの上に覆いかぶさるというさっきとは逆の状況で倒れこんできた。


「おっ、おま、なにすんだ!」
「なにってこうしたかったのー!」


ずっと手に持っていたマフラーをデイダラの首に巻く。
そのきょとん顔も可愛いですごちそうさま。

そして余裕であまったそれを、自分の首にも巻いて思いっきりデイダラに抱きついた。


「室内でなにしてんだお前・・・うん」
「ほら、カップルみたいじゃない?カップル!ふぉー!」
「でっか・・・耳元でさけぶんじゃねぇよ。つかこのためにこんなでかいマフラー買ってたのかよ」
「あったりまえー!でなきゃこんなでかいのじゃまなだけだよ」
「すげーいい笑顔でいいきったな・・・」


呆れた顔で、デイダラは笑った。うわなにその鼻血ものの笑顔!
たまらなくなって「デイダラー!!」もう一度きつく抱きついた。

はんぶんこしましょ
あったかいね
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