「お前いつまでここにいんだよ!うん!」


そう怒鳴られて部屋を追い出されたのはほんの数秒前。
バタンと勢いよくしまったドア、閉まり際に見えた赤い顔に、思わず上がる口角。

くそ、照れたデイダラを見れたのはいいけど部屋を追い出されるとは。

ていうかまさか芸術作品を絶賛しただけであんなに赤くなるなんて、デイダラもウブだねぇ・・・
可愛い可愛い、もうあたしのコレクションにしたいよ!

えっと、また暇になっちまった。
ほんとシクったなちきしょう・・・!

地団駄を踏みたくなったとき、いつか体験した揺れ。
誰か帰って来たんだ、嬉しくなってアジトの入り口まで走る。


「ひだーん!!!」
「お?」
「かーくずー!!!」
「、」


不死身コンビだった。
とりあえず暇な時間を過ごさなくてすむ嬉しさで飛段にダイブすればさすが男の人、揺らぐことなくあたしを受け止めた。

うふあ、筋肉がまぶしいです・・・!


「なんだなんだぁ?久遠だっけか?」
「暇すぎて暇すぎて耐えられません」
「は?だったらジャシン教の話でもしてやるぜぇ?」
「それはもっと耐えられません」


あー飛段いいわ。
バカだからかあたしを警戒せずに(まぁ信頼もされてないだろうけど)何も考えず受け入れるこの体勢好きだわ。


「アジトの入り口でじゃれあうな」


ゴゴゴ、と音がして光を遮断した廊下に暗闇が訪れる。
どうやら角都がやったらしい。印を結んでいた手をほどき、足元にあった重そうな角ばったケースを難なく持ち上げた。


「知らねぇよ。こいつが勝手にじゃれてくるんだからよぉ!」
「応じているお前もお前だろう」
「だってこいつ小動物みたいで可愛いじゃねぇか!」
「・・・フン、」


あたしに一瞥くれ、角都は廊下の角を曲がっていった。


「おじいちゃんはお堅くて、久遠ちゃん困っちゃいます」
「マジか!お前角都の歳いくつか知ってんのか!?」
「もち!」


胸を張って答えれば、飛段は目を輝かせて食いついてきた。
え、この子ほんとにイタチ兄さんより年上なの?


「教えろよ久遠っ」
「えー教えてやらないこともないけどさーあ、」
「頼む頼むっ!」
「じゃあ条件付きね?」


んん?と顔をしかめた飛段。
飛段の耳に口を寄せれば、少しタレ気味の瞳が見開かれた。


「そんなんでいいのかぁ?」
「えーあたしにとったら結構な頼みごとだけど!」
「ゲハハ!そんなんおやすいごようだぜ!」
「マジか飛段ありがとう!愛してる!」


ゲハハと下品に笑う飛段。
やっべ大好きだ。

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