今日もみゆみゆが眩しいです。
部屋一面に貼り付けているポスターに囲まれて、今日も目覚めのいい朝を迎えた。
ポスターの中のみゆみゆはとびっきりの笑顔にウィンクのおまけつきという、なんとも美味しいスタイルである。ごちそうさまですホント。いかんヨダレが。

待ちに待った休日。
一週間って遅いようで早い。受験生ともなればなおさらだ。私は推薦で一足先に進学先は決定したけれど。
新しい未来に不安と緊張を抱えながらも、みゆみゆは変わらず愛らしい。勉強の合間には、必ずと言っていいほど彼女を眺めていたのだ。ほんとみゆみゆ最高。
さて今日もみゆみゆが出たバラエティとかその他もろもろの動画をあさっていこう。ハマったらのめりこむタイプなのだ。
パジャマから着替えもせずに、顔だけ洗って再びベッドに入りスマホを取り出す。
電源をつけた途端、誰かが部屋をノックした。


「おう」
「や」
「相変わらずおびただしい量のポスター貼ってんな。最高」
「でしょ。で、何の用ですか清志サン。私これからみゆみゆの動画あさるので忙しいんだけど」
「暇人かよ。・・・別に用はねぇけど」


部屋に入ってきたのは、幼馴染みの清志だ。
この部屋に入れるのは家族と清志だけである。他は誰がどんな理由であってもいれることはしない。理由は察して欲しい。

別に用はないと言った清志は、私のところまで来てちょいちょいと布団をつっついた。


「入れて」
「えー狭いよ清志でかいのに」
「俺もみゆみゆの動画見てぇ」
「自分の部屋で見ればいいじゃん」
「オフクロに見つかるとなんかやだし」
「思春期か」
「そーだよ悪ィか」
「しかたないなあ」


壁側に動いて、清志が入れるようスペースを空ける。
すぐに体をすべりこませて来た清志の肩が私の肩にぶつかった。やっぱり狭い。
そしてあろうことか清志は私の枕を奪って、自分の腕の中にそれを抱き込んだ。


「久遠の匂いがする」
「当たり前じゃん私の布団の中だしそれ私の枕だし」
「いいよなお前の部屋。俺がこんな感じの部屋したら家族にでさえ引かれるわ」
「私は引かないよ」
「お前はな」


清志と話しながら、ようつべでみゆみゆを検索する。
あ、コレ超可愛かったぞ、と清志が横から指差すものをクリックした。サムネの時点で可愛かったやっぱりみゆみゆ神。

みゆみゆの存在は清志から教えてもらった。
幼馴染みが有名なアイドルグループの一員にめろめろなのは最初は少し残念だったりしたのだが、言われるままにDVDなどを見てみると・・・まぁ、ハマったわけだ。

清志はこんな女の子が好きなのか〜と、なんとなくみゆみゆと似たような化粧をしてみたり、服を着てみたりもした。
スマホの中でみゆみゆが喋って動いている。
やっぱり、可愛くて、私は一生この遠い存在の子に敵わないんだろうなぁと感じた。

少し頭を傾けて清志の肩に乗せる。


「髪の毛くすぐってぇ」
「んー」
「なに、お前。なんか・・・」
「変?」
「・・・・や、なんか、可愛い」


驚いて清志を見れば、真顔のまま顔を近づけられ、そのまま唇が重なった。


「・・・」
「・・・」
「・・・清志サン?」
「・・・もっかい」
「っえ」


・・・案外、敵わないこともないのかもしれない。

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