「電気消すぞ」
「うん!」


パチ、と音がして一瞬で辺りが暗くなる。
すぐ隣にデイダラがもぐりこむ気配がした。いつも通りの夜だけど、この時間が一番好きだったりするのだ。
喧嘩をしたときも、寂しいときも、この暗くなった瞬間素直になれる。

デイダラの胸元に頭を寄せれば、大きな手が後頭部に回って優しく抱きしめられた。
温かい。


「デイダラー」
「ん?」
「好きだよー」
「おう」
「デイダラは?」
「きらいだ、うん」
「ふふ」


真っ暗だけど、すぐ目の前にはデイダラがいて、優しい手つきで私の髪の毛を撫でて、そしていつの間にか二人して眠っている。
デイダラとなら怖い夢も見ないし、朝起きたとき真っ先に入るのはデイダラの整ったお顔。幸せだ。幸せすぎるくらい、幸せだ。

デイダラが私の頬に手を当てる。
彼は何も言わないまま、ゆっくりと顔を近づけてくる気配がする。
デイダラは忍だから、夜目が利くのだろうか。そんなことを考えながら、目を閉じた。

目を開けたって、閉じたって
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