※少しお下品



「あーーーっ、もう!」


無性にイライラする。
なにがあったってわけじゃないけど、イライラする。
あたしはこのイライラの正体を知っている。女の子特有のアレである。アレ。
なった時って、過去の失敗だとか、自分のふがいなさだとか、それはもういろんなことを思い出してしまってローテンションになったり、本当に些細なことが気に食わなくて周りにも迷惑をかけてしまうのだ。
だからあたしなりに配慮して今日は部屋の外には出ないと決めた。
サソリさんやデイダラ、イタチ兄さんにハグできないのは本当の本当に死ぬほど嫌で今にも死にそうなんだけども、でも迷惑はかけたくない。

これでも久遠ちゃん意外と繊細なんだから!

・・・でも、会えないことに余計にイライラが募ってる気がしないでもないのだ。
土産にと飛段が買って帰ってきてくれたクッションを床に何度も何度も打ちつけながら、あたしは一人頬を膨らませる。

下腹は痛いわ、イライラが度を越して涙が出そうになるわ、本当にこういう時女の子っていうのは面倒臭い。
まぁ女の子の特権もいっぱいある。
たとえばサソリさんに抱きつける。デイダラに抱きつける。イタチ兄さんに抱きつける。
・・・っは、でももし仮にあたしが男の子でも、それはそれでオイシイ画になるんじゃ・・・!?


「・・・今からでもちんこつかないかな」
「・・・・・・・・・元気そうだな」
「っは、イタチ兄さん!!!」


ちちちちがうんですいや違わないけどあのそのもし仮にですねあたしが男の子だったらイタチ兄さんたちとうっふんあっはんな展開になった時なんというかよだれが出るシチュエーションだなって妄想してただけでその、
ドア閉めないで!!


「なにか用ですか!?」
「そんな必死になって腕を掴むな・・・」


少し気持ち悪い、と小さく呟いた兄さんの声は聞こえなかったことにしておく。
ブロークンハートだ。でも好き・・・!!!


「お前が珍しく部屋から出てこないから少し様子を見にきただけだ」
「えっ」
「心配はいらなかったようだな。リビングに出てやれ、デイダラも飛段も暇そうにしている」
「い、イタチ兄さん・・・っ!!!愛してますうううううう!!!」


ああもうなんだかイライラもなにもかも吹っ飛んだ。
イタチ兄さんパワーだ、すごい、生理痛すら感じなくなった(気がした)。


「寂しかったですか!?今行きますから!」
「・・・そのくらいにぎやかなほうが、お前らしい」
「イタチ兄さんはいちいちあたしの心臓をいい意味でえぐってきますね!さあリビングに行きましょー!」


細くてもしっかりと筋肉のついた腕に自分の腕を絡める。
ちらりと見上げた彼は笑みを浮かべた柔らかい表情をしていたから、ますますテンションが上がってきつく抱きついた。

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