ゴゴゴ、とアジト内が揺れた。
びっくりして、持っていた紅茶を落としかけたあっつ!
うわ、染みになる・・・!
リビングにひとり(リビングがあるとかホントこれ大犯罪者のアジトかよ)、慌ててサソリさんの部屋に向かう怖い。


「サソリさーん!」


ノックなしで部屋のドアを開ければ、顔のすぐ横をクナイが飛んでいったあぶねぇえ!


「ちょ、危ないじゃないですか!」
「ノックもなしに入るなカスが」
「いじめるのは後にしてください年中無休で受け付けますから!なんかアジト揺れました!」
「・・・最初の発言はスルーでいいか」
「え、最初の発言こそスルーしないでください!」
「出てけ」
「ああん待って、怖いですなんか来るんですか!?」


はぁ、とため息をひとつついて(かっこいい)、サソリさんはだるそうに言った。


「あいつらが帰って来たんじゃねぇの」
「え、あいつら・・・って・・・不死身コンビですか!?」
「・・・ほんとお前どこまで知ってんだ?」
「ありとあらゆる細部までです、あ、扉閉めないでくださいぃ!!」
「キモい」


バタン。
ちっくしょー完全否定だ、開けようにも開けられない、中から鍵かけられた!
不死身コンビは正直怖いからサソリさんの部屋にいようと思ってたのに!
ついでに襲おうと思ってたのに!


「よぉ、お前が久遠か?」
「ああそうですとも、たった今サソリさんに捨てられた悲しい女の子・・・、って、え?」


振り向けば、銀髪オールバックの彼の顔が目の前にあった。
・・・展開がいきなりすぎやしませんか。
飛段の隣には、角都までいる。
これなに?ふたりからの威圧がすごいよなにプレイですか?


「ただの一般人じゃねーか!ゲハハ!」
「・・・金がもったいないな、もっと手だれかと思っていたが」
「・・・すみませんね」


飛段の下品な笑いが廊下に響く。
マジ鍵開けてくださいよぉ、サソリさん・・・!

飛段はあたしの肩をガシッと掴んで(ひぃぃ!!)、グイッと顔を近づけてきた。
・・・あれ、案外いい匂いがする。
飛段のことだから、もっとこう、臭いかと思ってたごめんね偏見だね。


「ジャシン教に入ら「ない」」
「・・・それがいいだろう。長ったらしい儀式を見るのは飛段だけで十分だ」
「いや、そもそもあたし一般ぴーぷるなんで」


ちぇー、と唇を尖らせる飛段。
ふたりは踵を返すと、自室へと足を運んだ。


「まぁよろしく頼むぜぇ、久遠」
「省エネを心がけろ、ただでさえ危ういからな」
「・・・はぁい」


意外と普通だったな、不死身コンビ。

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