音もなく床から現れたボクに驚くことなく、ていうか存在自体に気づいてないんだろう、笑顔(というかニヤニヤだけど)でイタチと話している久遠たちの様子を盗み見る。
ホントは久遠をかまいに来たんだけど、あの二人の空気に入っていく勇気はないというか・・・イタチはボクのことあまり好きではないだろうし、まぁまた久遠が一人でいるときにでも声をかけよう〜ってことで、このまま眺めていることにした。
ちなみに必然的に黒ゼツも一緒である。「マタオ前ニ付キ合ワナケレバナラナイノカ・・・」と悟ったように言う黒ゼツは、さすが長いこと一緒にいただけはあるよねー。

っと、そんなことよりあのなんだか妙にふわふわとした面白そうな雰囲気に耳を傾けないと!
黒ゼツ、録画しといてよね。
イタチがあんな緩みきった顔してるの、貴重だしー


「将来恋人にされたいことベスト3!あたしの妄想に付き合ってくれるのイタチ兄さんくらいなんです〜もう大好き!」
「・・・そんな話をしていたのか」


推測するに、サソリやデイダラあたりにはその話を持ちかけたとたん逃げられたんだろうなー・・・
よっぽど暇じゃないと聞いてられない妄想だよね。
おかしさを噛み締めて会話の続きを聞く。


「じゃあ発表しますよ?心の準備はいいかなー!?」
「ああ・・・」
「イタチ兄さん!そこはいいともーって言わないと!いや言ってください萌えるんで」
「よく分からないが遠慮しておく」
「ええ・・・まぁいいや、じゃあ第三位!じゃじゃん!」


自分で効果音言ってるよあの子。
久遠に関してはツボの浅いボクは簡単に吹き出しそうになるけど、なんとかこらえた。


「お姫様だっこ!」
「・・・姫?」
「あはん!イタチ兄さんのキョトン顔!!萌え禿げそう!!!」
「・・・、・・・」
「どう反応していいのか図りかねてる兄さんも素敵ぃい!」


ちょっと吐き気が。
面白さを通り越して胃からせりあがってくる何かを押しとどめて、黒ゼツに話しかける。
ねぇアレ直に言われてるイタチはなんとも思わないのかな?知ルカ。だよね〜・・・


「横抱きのことですよ!」
「こうか?」
「ぴょ!!?」


頭がショートする。
イタチってもしかして結構天然なの。

りんご以上と言っても過言ではないくらいに顔を赤く染めた久遠が、横抱きにされながらキョトン顔のイタチを見つめている。・・・なにこの画。


「いいいいいイタチ兄さん!?」
「なんだ?」
「なん、え、・・・愛してます!!!」


・・・うん、黒ゼツ撮影終了していいよ。
見ててなんだか体中がかゆくなってきた。早く雨隠れ戻ろう。


後日談。
第二位と第一位を聞いてみたら、二位はキスで一位は背後からハグ、らしい。
ボクたまに久遠の感性がわかんねー。


やわらかい棘は抜けにくいのよ
っていうか絆されすぎだよねー
コノ動画削除シテモイイカ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -