「ず、・・・・ずりぃ」


拗ねたような口調でそっぽを向きながら言ったデイダラに、きゅんきゅんせずにはいられない。これに胸きゅんを感じなければいつ感じろと言うの!
デイダラちゃん!可愛い!!
飛びつこうと腕を伸ばせば、恥ずかしがることもなくあたしを受け入れたデイダラにますますきゅんが募る。・・・きゅんが募るってなんかおかしいけど語彙力ないしそんな表現しか思い浮かばないや。


「ずるいもクソもあるか。これはまったくの偶然なんだよクソダラ」
「オイラはデイダラ、だ!ったく変わんねぇな旦那も・・・うん」
「お互い様だろうが。つーかいつまでくっついてやがる」
「気が晴れるまでですぅ!!」


むっちゅう、と唇を突き出せば、引きつった顔でデイダラは私の顔を手のひらで押し返した。ツンダラ顕在のようで久遠ちゃんは嬉しいよおおお!

デイダラがなにを悔しがってるかって、そりゃああたし含めた元暁の四人が同じ学校に通っているという事実に対してだ。
偶然っていえば偶然なわけだけど、運命だと思えばそうも捉えることはできる。


「お前も編入すればいいだろう」


珍しく口を挟んだイタチに、大いに賛同して首を思い切り縦に振ったらもげそうになった。
その言葉にデイダラは渋い顔をする。


「オイラの引き取られた先は知ってんだろ」
「ああ・・・確か花火職人のじいさん家だったな」


そしていまさらながら吸血鬼コスプレの長門が目に毒(いい意味で)すぎてやばい。直視できないどうしよう。ちなみに長門と腕を組んでいた女子生徒コノヤローさんはあたし達の空気についていけずにどこかへ行ってしまった。っは、ざまぁごほん!あたしは何も言ってません。

義務教育を終えたらもうずっと店の手伝いをするのが約束らしい。
っということは、中学までは学校に通ってたの?デイダラちゃんの制服姿見たかったぁあああ!


「オイラん家は忙しいからな。手伝ってやらねーと・・・うん」
「デイダラ、いい家に引き取ってもらったんだね!」
「はぁ?」
「だって文句言いながらも楽しそうだし!そんなデイダラがキラキラ輝いて見えるしいったああああ!?」
「だからいつまでくっついてんだって」
「離れろ二人とも」


イタチに強引に引き寄せられ、むっと口を引き結ぶデイダラから離れる。
当たり前だけど、孤児院に居た頃よりも何倍も背の高くなったデイダラ。声も前世のそれと同じになっているし、ほんともう成長したね・・・。感慨深いよ・・・


「久遠ちゃーん、サソリくーん、そろそろ店番交代だよお!」


遠くで花ちゃんの声が聞こえる。
くっそうデイダラちゃんとのイチャコラタイムもここまでか。


「デイダラ、何時に帰っちゃうの?」
「いや、オイラちょっと用事があって最後まで残ってなきゃなんねー」
「じゃあ午後からみんなで回ろう!!約束、ね!!」
「オレは午後から店番なのだが、」
「イタチは色気でなんとか代わってもらって!」
「・・・・・」
「じゃあサソリさん共に裏で汗を流しましょう!」
「語弊のある言い方してんじゃねぇ」
「長門、くれぐれも逆ナンに遭わないでね!」
「逆ナン・・・?」
「じゃあ、一時にここ集合で〜!」


「相変わらず強引な奴だな、うん」「変わってなくて安心しただろう」そんなデイダラとイタチの会話を背に、あたしはサソリさんの手を引いて自分のクラスへと駆ける。
はあん、午後から楽しみだ!!

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