冷たい刃物の先が首に当てられた。
なんでこう、暁のメンバー達はすぐに喧嘩しようとするんだろう、でもそんなところも含めてかっこいいですよ兄さん!

殺されかねないけど、見たい。
生の兄さんを、見たい!

欲望が本能を動かした。あたしはぐるんと反転して刃物もといクナイを片手に少し目を見開く主を見上げるはううううううううう!!!
生で見るイタチ兄さんは一層輝いてますん!!!


「何者だ」
「姓は楸!名は久遠!暁メンバー大好き変態少女たぁ、あたしのことでい!!」


どうだ!これで最初のつかみは完璧なはず!
にしてもイタチ兄さんかっこいいよ完璧です、握手していいですか?


「・・・お前か、リーダーが言っていたのは。・・・確かに変態だ、自覚しているだけまだマシか」
「イタチ兄さんって意外とSなんですね、どんどんいじってください!」


イタチ兄さんまでそんな、痛い子を見るような目で見ないでください。

冗談です、って笑ったらイタチ兄さんは大して表情を変えずにクナイをしまった。
あながち冗談でもないんだけどね、さすがに引かれるからこれ以上変態をさらけ出すのは止めよう、我慢。


「・・・久遠と言ったか」
「はい!」
「ここは、お前のような奴がいるべき場所ではない。逃げるなら今のうちだ」
「はい、嫌です!」
「、」


そんなの嫌に決まってる。
わざわざトリップまでしてこっちにきたんだ、きっと神様が運命を変えろとかの目的でよこしたんだよね、あたしはイタチ兄さんやみんなの運命を変えたいよ。
なんて勝手な解釈だけど、あたしはそう思ってる、だから頑張るよん!
がんばっちゃうよん久遠ちゃんは!


「・・・とんだ大バカも、いたものだな」
「バカで明るいのだけが取り柄ですから」


営業スマイルなんかじゃありません、あたしはいつでも心から笑ってます。
だってこんな目の前にイケメンが立ってるのに、にやけないわけないじゃないですか!

イタチ兄さんは少し口角を上げると、あたしの頭を数回叩いて(もう絶対髪の毛洗わない)部屋に入っていった。
ここがイタチ兄さんの部屋か、よし覚えた。

今夜夜這いに行こう。

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