バスケが大好きで、バスケのことしか頭になくて、それ以外は食べてるか寝てるかの青峰君から告白されたのは本当に嬉しくて、同時にたくさんの我慢をすることを覚悟した。
大きな行事も彼の誕生日も、普通の恋人のように一緒に過ごしたりすることはまず不可能で、貴重なオフも彼の体を休めることを優先するように、彼の瞳にいい子に映るように。

たくさんたくさん、我慢した。
少し疲れることもあったし我慢も限界になることもあったけど、それでも青峰君のことを想っているだけでよかった。そう、思っていた。
きっと青峰君も、私が自分の道を阻む存在になったらきっとすぐに切り捨てるに違いない。
だから、だから、


「・・・別れようぜ、オレ達」


なんで、こうなったのか、私には理解しがたいことだった。

切なそうに顔を歪めて残酷な事を言う青峰君の目に、私はどういう風に映っているのだろうか。
何も言えないでいる私の頬は、流れる涙で濡れている。

なんでなの、青峰君。
私はずっと我慢して、貴方の邪魔にならないようにいい子でいたのに。

いやだと言う事もできない。
切なそうな彼に行かないでと抱きつくこともできない。

私は、どうすればよかったの。


「オレは、お前のそんな顔を見たくて告白したわけじゃねぇんだよ」


大きな褐色の腕が伸びてきて、踏み出せなかった一歩を簡単に超えた青峰君は、私の頭を引き寄せた。
心臓の音が聞こえる。頭で理解するより早く、咄嗟に彼の背中に腕を回した。

青峰君、私、ずっと寂しかった。


「お前の喜ぶ顔や楽しそうな顔を誰よりも傍で見てたいと思ったから、告白したんだろーが。・・・逆に離れてどうすんだよ・・・」


消え入りそうな声に、私はただ頷いた。
青峰君、貴方も私と同じ気持ちだったって、うぬぼれてもいいですか。


「・・・好きだ。もう一度、全部、最初から、」


やり直そう。


さようならを裏切ります
彼の腕の中は、こんなにも温かかったのだ
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