黙々と折り紙で飾り物を作るサソリさんを目に焼き付ける。
はぁん今日も格別に素敵です目がくらみますサソリさんんんんん「見てねぇで作業しろ」
手加減なしのビンタをくらい浮かしていたお尻を地面につけて渋々サソリさんと同じ作業に取り掛かった。

文化祭期間である。
まだクラス全員の名前を覚えきれてないこの時期に、と少しの疑問を抱えながら、でもみんな楽しそうに準備に取り掛かっていた。
かくいうあたしもこの空気を楽しんでいる者の一人である。
ちまちまとした作業は嫌いだけど、サソリさんとなら苦でもなんでもない!!むしろ楽しい!!前世の時から細かな作業が得意だった彼なのだ、その手さばきは常人のそれより早い。惚れる結婚しろください。


「いっ!?」
「あ?」


サソリさんを見ながら鋏を使っていたら、ベタなことに指を切ってしまった。
何してんだよお前、と呆れ顔で見てくる彼すらも愛おしい!!まいえんじぇる!!もっと蔑んで!!
興奮していると人一人分距離をとられた。悲しい。


「サソリさんサソリさん」
「なんだよ」
「指切りました!」
「・・・何ドヤ顔で言ってんだてめぇは。見てたからわかってんだよ」
「これってなんのフラグだと思います!?」
「・・・・・オレはお前の指なんて咥えて治療だとか言わねーからな」
「おうふ読まれてた!!!!」
「お前の血なんか吸ってみろ、変態が移る」
「いいじゃないですか!」
「よくねーから言ってんだよ」


冷静なツッコミに頭をたれる。
どうやらあたしの期待する展開にはならないようだ。ちっ。

ちなみに、あたし達のクラスは喫茶店をする。雰囲気もメニューも作りやすい無難な出し物だ。
あたしはサソリさんをウェイターに推しまくったけど、彼の無言の威圧によりそれは却下になった。くそうサソリさんのコスプレ見たかった・・・!
まだ彼の怖さ(怖くないけど)に慣れてないみんなは、無理矢理にでもウェイターにすると殺されるとか思ったんだろうな、
ヤクザじゃないのにーただの美容師なのにー。


「おい」
「はい?」
「行くぞ」
「え、どこにですっ、うわあ!」
「ちょっと保健室行って来る」


看板を作っていた花ちゃん(彼女は意外な事に室長になったのだ)にそう告げ、サソリさんはあたしの手首を掴んで引っ張った。
んもう、だからサソリさん大好きなんです!!!


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