「あんれまあ、小南ちゃんのお友達かいね?」


幼少期の時から既に色気むんむんだった小南なのに、十七にもなると大人レベルの色気である、まる。
そんな小南に手を引かれてやってきたのは、この店を営むおばあさんの姿だった。
孤児院で小南が引き取られていく際に一度だけ見たことがある。
やさしそうなおばあさんだなあ、と安心して見送ることができたから、よく覚えている。


「ゆっくりしていきんさいね」


にこりと笑ったおばあさんに軽く会釈して、手渡されたメニューを見た。
向かいに座っているイタチはもう決めたのか、スマホを取り出している。惚れる。


「イタチは何にしたの?」
「三色団子」
「やっぱり?なんか予想とおりすぎて可愛い萌え禿げそう!」
「・・・相変わらずね、久遠も」


微笑んだ小南クソカワ。
意味もなく彼女の腰に抱きつけば、早く決めてと軽く頭を小突かれた。手加減してくれてるのか全然痛くない。小南好き。


「サソリさんは?決めました?」
「・・・おー、これ」
「どれ・・・って、三色団子!?イタチと同じやつですか!?あたしサソリさんが生身の人間だったら絶対甘党だって思ってたんですよ!!抱きついていいですか!?」
「こら久遠静かにしろ、迷惑だろう。それとここは甘味屋なんだから甘いものしか置いてない」
「・・・長門のポジションも相変わらずね」


微笑んだ小南クソカワ(何回も言うななんて聞こえない)
嫌がるサソリさんを無視して抱きついていれば、その隣に座っていたイタチに「行儀が悪いぞ」と叱られた。
まるで親みたいだ。いやあたし的にはイタチは恋人ポジションがいいなあ・・・


「お待たせしました。三色団子四つです・・・みんな同じものを頼むなんて」


少しあきれた風に言う小南。
なんとなく笑いがこみ上げてきて吹き出せば、隣にいた長門も少し笑っていた。
向かいに座るサソリさんもなんだか空気がやわらかく、さらにその隣に座るイタチもわずかに微笑みを浮かべている。


「仲良しってことだよ!」


スマホを取り出して、記念に一枚。
四つ並んだ三食団子が、かわいらしい姿でフォルダに納まる。

さっそく食べようとした時、長門に「いただきますは?」と注意された。

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