休憩時間が終わるその時まで長門とサソリさんの三人でくだらない会話をして、時間ギリギリになって教室に戻る。
そして先生が入ってくるその時までサソリさんにくっついていた制服サソリさん眼福今なら死ねる。いや死ねないまだみんなと再会してない死ねない。自分の席についてそろっとサソリさんを振り返れば、ばちっと目があって多分あれは舌打ちされた、はあんサソリさん舌打ちするくらいなら踏んでくれてもっ・・・!
「久遠ちゃんだよねっ?」
誰だあたしの妄想をぶち壊したヤロウは。
我に返って声がしたほうを向けば、若干目をキラキラとさせた見知らぬ女子生徒がわたしを見ていた。
セミロングの髪の毛をうまい具合に巻いてる、ザ・女子って感じの子。ままま眩しいよそんなにキラキラした目で見ないでください焦げちゃう。
「久遠ちゃんって、あの赤髪の人と仲良しなのっ?」
「夫婦です」
「え?」
「ああえっとこっちの話、あはは・・・うん、仲良し」
危ない危ない妄想の中での設定を喋ってしまうところだった(もう喋ったけど)。
その子(山田花ちゃんというらしい)はすごいね!と眩しいくらいの笑みで言った。ん?すごい?ああまあ、サソリさんすごく目立ってたもんねぇ、いい意味でも悪い意味でも・・・
「サソリ君っていうの?すごいかっこいいね!どんな関係なの?」
「ど、どんな・・・夫婦?」
しまったまた口が滑った。
不思議そうな顔であたしの言葉を疑問符付きで反復する花ちゃんに、即座に違うと言い直す。
親友?いや違うよね。
愛人?殴られる(あたしが)。
知り合い?そんな薄い関係じゃないし・・・
「・・・下僕、かなあ」
「んえ?」
可愛い顔した花ちゃんが不思議な声を上げた。
いやごめんマジごめん刺激強いよね、うん反省してます。
「えっとー・・・言葉にするのは難しいかなっ☆」
てへぺろ、と自分の頭を小突いてみれば、久遠ちゃんって面白いねーと何故か気に入られてしまった。
サソリさんとあたしの関係ってなんなの?