背中に回る腕の感触で目が覚めた。
まだ薄暗いリビング。そうだ、昨日遅い時間までテレビ見てたら動くの面倒になってそのまま寝たんだ。
最近勝ち続けている白組に面白くないなと思いながら見終えた紅白○合戦の後、ガ○使を少しだけ見て、年越しそば(お湯を入れて三分待つだけ)を食べて、ぐだぐだともつれこみながら寝た。
フローリングの上にカーペットしか敷いてないから、体がぎしぎしと痛む。しくじったなぁ。

すぐ目の前にある大輝の顔。薄暗さに溶け込んでいきそうな肌をつつけば、かすれた声を漏らしただけで瞼は開かない。
ううん、骨が嫌な音立ててるなあ。ベッドに行ってもう一眠りしたいところだけど、あたしをホールドして離さない大輝のたくましい腕が、それを許してくれそうにない。


「大輝、あけましてだよ」
「・・・・・・・うー、・・・」
「寝たし」
「・・・・、・・・」


もぞ、と動いた大輝はもともと無かった二人の距離をさらに縮めるようにしてあたしを抱きこんだ。少し苦しい。
今年も初日の出は見れそうにないな。めんどくさがりの大輝のことだから、初詣も行かないだろうな。わざわざ餅つくのもアレだし、市販のでいっか。

うーん、大輝といると色んなところでサボっちゃうな。

・・・まあ、いいか。


「今年もよろしく、青峰大輝くん」


額を大輝の服に押し付ければ、あたしを抱きしめる腕に力が入った。


「・・・ことしは・・、おまえのみょうじも、青峰にしてやるよ・・・・久遠、」


半分寝ながらのプロポーズは、ロマンチックの欠片もないけど、大輝らしい。
そして、あくびをしながら頷くあたし。

さあ、愛しの大輝の腕の中で、あと少しだけ眠っていよう。

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