激しく火花を散らして睨みあい、そして手を振りかぶる。
拳をかためたあたしの小さな手、人差し指と中指を突き出した大輝の大きすぎる手。
この際大きさなんてまったく関係ない。

勝者はあたしである。


「歌聞くだけじゃねぇか、しかもどうせヒット曲だぜ?店とかでいっつも流れてるような曲年末にもっかい聞くのかよ、なぁなぁなぁなぁ」
「うっさいな!気分的に違うでしょ。じゃんけん負けたのになに文句ばっか言ってんのそれでも男か」
「てめぇ夜な夜なオレが男だってことは体でわかってんぶっ」
「それ以上言ったら殴るから」
「もう殴ってんだよ・・・!」


エロ峰にこれ以上かまうことはしない。
昨日買い溜めたお菓子の袋から何個かお菓子を取り出して、こたつに置く。
新しく買った少し大きめのクッションを抱きしめながらこたつに入ってリモコンを手に取れば、面白くなさそうな顔をした大輝が横にずけずけと入ってきた。


「絶対ぇガ○使のほうがおもしれぇ」
「まだ言うか」
「なぁもう一回じゃんけんしようぜ、今度オレグー出すから」
「ガキか」


そんなの認めるわけないじゃん。
ポテチの袋を開ければ、すぐさま黒い手が何枚かかっさらっていった。
あの紫の巨体ほどではないけど、大輝もよく食べるよね。


「ガ○使はDVDに撮ってるから明日見よう」
「まじか久遠お前なかなかやるな」
「・・・その上から目線やめてくんないと見ない」
「ありがとうございます久遠さま」


コンソメ味のポテチを一枚とって口に運ぶ。
大きな体をした大輝にもたれながらテレビを見ていると、お目当てのアイドルグループが姿を現した。

もう今年もあと数時間で終わる。

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