朝ベッドから起きてみると、少しのもの寂しさを覚えた。
なぜかはすぐに分かった。いつもあたしをホールドしながら眠る大輝の姿がないからだ。
眠っている脳を起こして、ベッドから起きれば、冷たいフローリングが足裏からあたしを刺激した。さむい。
大輝がいたから普段の朝はそんなに寒さを感じることはなかったんだな。

リビングに向かうと、出したばかりのこたつでうつぶせになって眠る大輝の姿があった。
なにコイツずっとこたつで寝てたの?まさか?昨日遅くまでテレビ見てると思ったら・・・


「大輝」
「・・・・・」
「だーいき」
「・・・・・んー・・・、」
「だいちゃん」
「・・・・そのよびかた、・・・やめろ、」
「起きて」


ぺちんと頭を叩けば、顔をしかめた大輝は薄く目を開いてあたしを見た。
大きなあくびをして、ぐ、と体を伸ばす。
体が大きい大輝の足は、こたつからはみ出していた。

もぞもぞと足をこたつの中に引っ込める彼の上に、なんだかむしゃくしゃしたあたしはのっかかってやった。


「んだよ重ぇよ」
「女子に向かってそんな失礼なこと言わないで」
「退け馬鹿」
「いーやー」


そのまま髪の毛を混ぜれば、気を悪くした大輝は強い力であたしごと起き上がった。
地面から離れた足に、バランスを崩したあたしは床に落ちそうになって必死で大輝にしがみつく。
もう、危ないなあ。


「うわ寒っ」
「大輝が勝手に起き上がったんじゃーん」
「お前がいつまでも乗ってるからだろーが。つーかいつまでしがみついてんだよ胸当たってんぞ」
「さいてー死ね馬鹿大輝」
「オレのせいかよ・・・」


こっちは大輝いないせいで朝から寒かったんだからね。
そういって唇を尖らせて見せれば、一瞬呆けた大輝はニンマリと笑った。あ、なんかヤバイ、かも。


「そーかそーか」
「や、ちょ、どこ触ってんのヘンタイ」
「おめーもたまには可愛いじゃねぇか」
「ちょっとなに抱き上げてんのどこ向かってんの」
「なにってナニだよ」
「もう黙ってお願いねぇ、ちょ、朝から無理だって!」


ジタバタを暴れるあたしを片手で抱き上げた大輝は、ご丁寧にもちゃんとこたつの電源を消してコンセントを抜いた。
もう、まじで手加減してよね。

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