やけに静かだと思いリビングに赴くと、ソファーに身を沈めて眠る久遠の姿があった。
大方デイダラを追いかけ回して疲れたのだろう、その小さな体にはご丁寧に暁の装束がかぶせられている。かすかにデイダラの香りがして、何故か苛立ったオレはそれを投げ捨てて久遠の頭の近くにどかりと腰掛けた。
デイダラが着ていた暁の装束は、足で踏みつけておく。
身じろぎした久遠はうっすらと目を開けて、それから手探りでオレの手を掴み、安心したようにまた目を閉じた。
「・・・・寝ぼけてんのか?」
ん、と零れる弱い声。
心臓を鷲掴みにされるような、そんな感覚が走った。
普段がアレなだけに、こんな姿の久遠は新鮮で、素直に可愛いと思う。
「起きるなよ、・・・」
無意識に顔を近づけて、髪をかきあげて目尻に口付ける。
顔を離したときに見た久遠の顔はそれはもう幸せそうで。
・・・悪くねぇな。
こつんと額をぶつけて、オレもしばらく目を閉じた。