床下からゼツがにょきにょきと現れた。
パンツが見られそうになった久遠は、慌ててスカートを抑える。
見たって減らない上に久遠のなんて見ても得しないから安心しなよ、と真顔で言う白ゼツに怒りを覚えた久遠は、力に任せて足を振り下ろした。


「いって!」「オイ久遠!オレハ何モ言ッテナイ・・・!」
「二人でひとつなんだからしょうがないじゃーん」


悪びれた様子のない久遠に、巻き添えをくらった黒ゼツは納得がいかないようだ。
いかにも、表情が変わらないから分かりにくいが。
それにしても、と久遠は近くにあったソファーに座る。

メンバーがいないアジトほど、暇なものはない。
最近は全員が出払う事が多くて、留守中に訪れてくれるのは言わずもがなトビだ。
こうしてゼツが来てくれることも以前よりは少ない。

今思えば久々の再会に、久遠はゼツをじっと見つめた。


「・・・なに〜?」「ナンデソンナニオレヲ見ル?」
「なんか、ゼツって久しぶり感ないね」
「そう?ボク的には久遠に会うの久しぶりだからちょっとだけ楽しみだったんだよ〜」


ゼツもたまには可愛いことを言う。
単純な久遠は嬉しくなってさっきはふんずけてごめんねと謝った。ちょろい。


「でもゼツ来ても暇なことには変わりないんだよねえ」
「それだよね〜」「逆ニサソリ達ガ居ル時ハ何シテ過ゴシテルンダ・・・?」
「それはもうあの方達は居るだけであたしの癒しだから!!」


ドヤ顔の久遠。黒ゼツは内心で引いた。
彼女の変態レベルはもはや後に引けないくらいのところまで達してしまっている。


「じゃあさ、しりとりしない?」
「いや〜」「ヤメロ、ソンナ子ドモミタイナ遊ビ」
「微妙かなやっぱ」
「パンツ見せてくれたらいい」「イヤダ。オレマデ巻キ添エヲ食ウダロウ」
「うわ、ご名答。よくわかってんね黒ゼツ!まぁでもデイダラになら見せてあげてもっていうかその先まで進んでもいいけどねぐふふふふふ」
「腐女子の極みだ〜」「黙ッテレバ可愛イモノヲ・・・」
「・・・・・を、とか思いつかないけど」


じゃあ久遠の負けだね〜。

楽しそうに笑う白ゼツ。
久遠は悔しげに、唇を噛んだ。
勝者、ゼツ。

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