机の上に置いてある三色団子を睨むのは、暁のアジトに居候する久遠とメンバーであるトビ。
トビは仮面で表情こそわからないが、禍々しいオーラを放っている。
任務に出る際、イタチが食べておいてもいいぞと久遠に差し出してくれた三食団子だが、突然トビが現れボクも食べたいだのなんだの言い出したのだ。

久遠は眉根を寄せ、力一杯トビを睨んだ。


「これはあたしがイタチ兄さんにもらった団子なの!だからあたしが食べるの!」
「オレだって三色団子好きっすもん!任務でみんな出払うからって久遠ちゃんの子守しにここまで走ってきたボクに譲ってくれたっていいじゃないすか!」
「知らないもんトビが勝手に来たんでしょ!あたしは一人でもお留守番できますーっだ!」
「そんなこと言ってたらまた大蛇丸の奴が来るよ?」
「・・・それはいやだけどせっかく麗しきイタチ兄さんからもらった団子をトビに食べられるよりはマシ!!」


バチバチ。
火花が両方の目から放射されている(もちろん現実でそんなことは起こり得ない)。
すばやく久遠が団子に手を伸ばした。
しかしその手も忍であるトビにとってはスローモーションに見える。
さっと取られる前に奪い、そのまま後ろを向いて三個ついているうちの一個を食しすばやく仮面をつけ直した。


「っああああああああ!!?ちょオビトォ!!ばか!なんで食べちゃうのっ」


涙目になる久遠は一瞬トビの本名を言ってしまった。
トビは仮面の中でしてやったりな顔をする。


「へっへっへー!忍に勝てるなんて思ったら大間違いっすよ?」
「・・・・・・ふ、」


イタチ兄さんにもらった団子が・・・!
と、とうとう泣き出してしまった久遠に、トビはぎょっとして一瞬気を抜いた。


「やりぃ!!」


トビの手から団子を奪い、女とは思えないくらいの大口を開けて二個同時に食す。
トビはしばらく唖然としてその様子を見守った。
団子はすっかり久遠の腹の中だ。


「食べものの恨みは怖いんだよ」


憎たらしい笑顔でピースサインをする久遠に、トビ・・・いやオビトはイラついて一発殴ったのだった。

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