珍しくお昼ねタイムで熟睡してしまったオビトは、なかなか寝付けずにいた。
隣に布団を敷いている久遠は気持ち良さそうな寝息をたてている。
何故かイラついたオビトは軽く久遠の頬をつねった。
「っん!」
身じろぎした久遠に、起こしてしまったか?と若干心配になったがしばらくするとまた小さく寝息を立て始める。
そのままその柔らかな頬を触っていたオビトだったが、ふいにあくびが漏れて眠くなってきた。
あくびによって出てきた生理的な涙を拭い、さあ寝ようと布団を被り直した時、小さな手がオビトの体に回った。
「・・・?」
振り返ると、久遠の顔が目の前にあるではないか。
一瞬息を呑み、なんとか声を押し殺して小さく久遠、と呼ぶ。
反応はない。
「んー・・・」
「・・・おい、久遠」
「・・・んー?・・・やぁだ」
離そうとするが、それ以上の力で抱きついてくる。
寝るに寝れなくなってしまったオビトが次の日の朝、目の下に隈をつくっていたのはまた別の話だ。