じゃれる久遠と飛段に視線を向けずとも見守る目がいくつもあった。
言わずもがな、元暁メンバー全員だ。
他の遊びに専念しながらも、みな意識は二人に向いている。
なぜなら、
「とあっ!」
「うわ、ちょあぶない飛段っ・・・!」
見た目も中身も子どもな二人を放っておくと、
「「「「久遠!!」」」」
飛段が久遠に飛び掛り、バランスを崩した久遠が倒れそうになった先には、ストーブが置いてあった。
血相を変えたみなは忍の勘を生かして久遠を支えようとするが間に合わない。
だからこいつらから目を離せないんだ・・・!と、誰もが思い最悪の事態を想定したとき、それらを救う手があった。
「っあぶないだろう!!」
たまたま近くにいたオビトが、すんでのところで二人を受け止めたのだ。
彼の怒声に萎縮した久遠が、申し訳なさそうな顔をする。
飛段はそ知らぬふりだ。
額に青筋を浮かべたオビトは、飛段の胸倉を掴み上げ六歳児とは思えない形相で詰め寄った。
「飛段・・・おまえ、久遠になにかあったらせきにん取れるのか」
「おいおいそんなマジになんなって!けっきょくは助かったんだしよォ」
「ふざけるな。もしオレがいなかったらどうなっていた」
「うっ」
「オビトに同意だな。飛段、お前はもっとまわりに気をくばるべきだ」
オビトに加勢した角都。
もはや飛段が言い逃れる術はなかった。
オロオロと視線をさまよわせる飛段に、とどめの一言。
「こんごこのようなことがあってみろ・・・ころすぞ?」
「オビトこわっ」
さすが黒幕、と空気を読まない久遠にもきっちり制裁を与えることは忘れないオビトであった。