ぐるぐるの仮面じゃない、触ってみると前の仮面より堅い。
これから成し遂げようとすることへの覚悟の強さか、ただ単に気まぐれか、でも、トビはトビではなくなった。

今、目の前にいるのは、オビトだ。
オビトは一度つけた仮面を、なにを思ったのか外して私を見た。
顔の半分は昔受けた傷跡が今なお残っている。
手を伸ばして頬に触れれば、何故かオビトは笑って私の頭を撫でた。


「なに?」
「いや、別に」
「意味も無くオビトが私の頭撫でたりするの?」
「そんなこと、この世は意味のないことばかりだろう」


だから変えるんだろう、とオビトは若干頬を緩めた。
計画が成功することしか見えていない、何故だかそれが私には滑稽に見えた。
でも、言ったらきっと怒られるから言わない。
オビトの言うように、私が今彼を止めようとしても、それは"意味の無いこと"だから。

誰だっけ、あの子。
あの、・・・ナルト?って子を見てから、ああ、私に出る幕はないんだなって安心した。そして、少し悔しかった。

オビトを変えられるのは、私じゃないのだ。

依然私の頭に置かれたままの手は、ゆるゆると優しく動く。


「今お前が考えてること、当ててやろうか」
「は?どうせ当たんないよ」
「当たるさ。ずっとオレについてくる気だろう」
「・・・、」


違うけど、違わないその言葉。
私は、そういうことにしといてあげると笑った。

彼は仮面をつけて、立ち上がった。

そうだよ、オビト。あなたが変わろうが変わらまいが、私はあなたについていく。
この命ある限り。

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