「むんっ!ぐぐぐ・・・!」

「なにしてるんスか久遠せーんぱい!」

「なにって見ればわかるでしょ・・・!アレとろうとしてるの・・・!」

「わお!なんか届きそうにないっスね!」

「笑顔で言うな生意気な!」

「ボクがとってあげましょうかぁ?」

「・・・いい。ムカツクからいい」

「ひどっ!たまには素直になってみたっていいんですよ?ね!」

「トビごときにあたしが頭を下げるなんて死んだほうがマシ!」

「そこまですか!?」

「(くっそ取れない・・・!もうこうなったら瞬身で取るしか)、」

「えーい」

「っ、わ」


わきの下に大きな手が入り込んで、そのまま浮遊感が久遠を襲った。
宙に浮いた両足。
不本意ながらも取ろうとしていた荷物を取り、「降ろして」と小さな声で言う。少し語尾が震えた。


「んもー照れちゃってぇ」

「うるさい早く降ろして馬鹿トビ」

「・・・なんか久遠先輩かわいい。このままベッド行かないですか?」

「死ね!!」

「ぐふぅっ」

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