「んむーーーっ!!!」


受験間際、勉強に追われる日々。
言わずもがなストレスは溜まりまくり、一緒に勉強を見てくれる真太郎に八つ当たりをしたこともある。
なにせ、真太郎は頭が良い。ていうか頭が良くても悪くても、真太郎はスポーツ推薦だからあまり関係ない。
真太郎と同じ高校を目指す私だけど、私はお世辞にも頭が良いとは言えない。
必死で勉強しても、周りに追いつくのでやっとなのだ。

勉強は嫌いだ。
今だってこうやって、真太郎と私を引き離さんとするばかりに受験というものが立ちはだかっている。

もう、勉強なんてこの世からなくなってしまえばいいのに。


「だから、ここはこうだからこうなると言っているだろう」
「っわかんないー!」
「もうこの際感覚で覚えろ」
「そんなことできるの!?」
「・・・知らん。お前が本気になれば出来るのだよ」
「もうとっくに本気スイッチ入ってるのに・・・」
「知っているのだよ、だからこそ、出来るだろう?人事を尽くした奴を神は見捨てん」
「うー・・・」


真太郎の大きな手が私の頭に乗る。
顔を上げて彼を見れば、眼鏡を押し上げながら言った。


「オレと同じ高校に通うのだろう。・・・もう少し頑張れ」
「・・・うん」


真太郎なりの、精一杯の激励なのか、少し顔が赤い。
いつも以上にやる気が出てきた私は、回らない頭を精一杯動かして問題に向き直った。

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