「ったく、久遠はドジだな、うん」
「うるさいです!!」


デイダラ先輩に呆れの眼差しを向けられ、トビ君に手当てしてもらってる最中なのについ動いてしまう。
すぐさまトビ君に「はい久遠ちゃん動かないでくださいっすねー」と優しく咎められてしまった。
ぶーくれて地面を睨む。
嫌でも目に入ってくる膝の傷は、私がどれだけおっちょこちょいかが見て取れる。
忍としてこれでは駄目だって分かってても、それでも怪我をしてしまうのだから、・・・思わずため息が漏れた。


「はい、できたっすよ久遠ちゃん!」
「・・・ん、ありがとうトビ君」


もう一度小さくため息をついて、ぐっと立ち上がろうとすれば、膝に痛みが走る。
思わず顔をしかめて、また自分のふがいなさを痛感し泣きそうになった。

そんな時、私の頭に乗る大きな手。
顔を上げれば、お面をしていて見えないけど微笑んでるであろうトビ君がいた。


「帰ろっ、久遠ちゃん!」
「・・・うん!」


優しく撫でられ、沈んでいた気持ちが一気に吹っ飛んだ。
きっと、仮面の中の彼も笑ってくれているはずだ。


けっ、と唾を吐くデイダラ先輩を軽く蹴って、私達はアジトに向かうのだった。

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