"部屋に来い"
相変わらずの上から口調で呼び出され、あたしは渋々ながらデイダラの部屋に向かう。
ノックしてドアを開ければ、「ばっ、てめいきなり入ってくんじゃねーよ、うん!」と怒鳴られた。・・・帰っていいかな。
「ま、まあいい、そこに座れ」
「(超上から・・・)はいはい」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・で、用件は?」
「っは!いやあのうん、実はお前に言っておかないといけねーことがだな!、・・・うん」
そっぽを向いたデイダラの耳は心なしか赤く、なんだなんだと首を捻る。
意を決したように顔を上げたデイダラは、まっすぐあたしの目を見つめて口を開いた。
「す!!き、だ・・・・・・っ!」
「・・・・んえ?なんて?」
「てめぇ!ななな何回も言わせる気か!?うん!?」
「どもりすぎて何言ってるか分かんなかったんだよ・・・」
ぐああああ、と頭を抱えるデイダラ。
意味が分からなくてひたすら首をかしげるあたし。
なんでデイダラはこんなに真っ赤なんだろう。熱でもあるのかな?
手を伸ばして額に触れる。
カッと見開かれた瞳。・・・うーん、別に風邪ってわけでもなさそうだな・・・
「お、お、おま、オレに、触れっ・・・!」
「え?なに」
「バカ!うん!気安く触ってんじゃね、え・・・!抑えらんねーだろ!」
「え、ごめん?」
「好きなんだよバカ!!うん!!!」
ガバッと抱きつかれ、一瞬フリーズする脳内。
デイダラの言葉の意味を理解した途端、顔に集まる熱。
くそ、とかバカ、とか呟くデイダラの顔はやっぱり赤くて、思わず笑ってしまった。
「あたしも好きだよ、ばーか」