双方の無言の威圧がわたしの頭をかすめてぶつかっている。
火花が散って、もうなんか禿げそう、とげんなりしながら考えた。

右手首をサソリ、左手首をイタチに握られているわたしは、がっくりとうなだれている。


「久遠は今日はオレと任務に行くんだ。イタチ、その手を離せ」
「なにを勘違いしている・・・久遠はオレと出るんだ。お前がそろそろ観念して手を離したらどうだ?」
「勘違いしてんのはてめぇの方じゃねえのか?あ?」
「万華鏡写輪眼を持つこのオレがそんなくだらない勘違いをするとでも?オレには未来が視えている」


いや写輪眼ってそんな機能ないし・・・呟けば、サソリがバカにしたように笑った。「ほらな、久遠もこう言ってる」サソリの方に一段と強く引っ張られた。
む、としたイタチも引く力を強めてくるもんだから、ちょ、あいたたたたちぎれる!


「・・・嫌がっているじゃないか。サソリ、離してやれ」
「・・・イタチが離せば済む話じゃねぇか」
「そんなことでは、久遠に嫌われてしまうぞ?」
「そりゃてめぇも同じことじゃねぇか。つーかオレのが先輩なんだから言う事聞きやがれ小僧」
「年老いたやつに久遠は渡さない。オレのほうが釣り合っていることを認めろ」
「永久の美をなめんなひよっこが。愛に歳の差なんて関係ねぇんだよ」


なぁ久遠?と妖艶な笑みを浮かべながらサソリの顔が近づいてくる。
口と口が合わさりそうになった時、焦って顔を背けると優しい顔をしたイタチがわたしを見つめていた。
・・・どっちからも無言で見つめられるわたしの身にもなってくれ。羞恥で爆発しそう。もうデイダラ助けて喝いれてこいつらに。(オイラが殺されっから嫌だと首を振るデイダラが思い浮かんだ)


「あのさ・・・わたしは三人で任務に行けばいいと思うんだけどなぁ・・・」
「「それでは意味がない」」
「Why!?」
「どちらかを選べ久遠」
「オレか、・・・イタチか」


意味の分からない選択を迫られ、たじろぐわたしを見つめる二対の瞳。
仮にも整いすぎくらいに整った二人の顔が近づき、耐え切れなくなったわたしは今日も叫ぶ。


「勘弁してぇぇぇぇぇえええええ!!!」

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