怖い夢を見た。
枕と毛布を持って、彼の部屋に急ぐ。
彼の部屋からは光が漏れていて、睡眠の必要がない彼は夢も見ることはないのか、と少し恨めしくなった。
ノックをすれば、中から小さな舌打ちが聞こえてくる。
気配で私だとはわかってたはずだ。きっと、何をしにこの部屋に訪れたかも。

そして私は、彼が拒まないことを知っていた。


「・・・またかよ」
「うん」
「チィ・・・」


もう何度目になるんだろう、何回も繰り返してきたやり取り。
入れ、と低い声が聞こえて私が半ば乱暴に部屋のドアを開けた。
傀儡をいじっている彼は私の方を向くことなく、そのまま調教を進めている。

私は彼に駆け寄って、大きくも小さくもない背中に思い切り抱きつく。少し硬い。


「・・・サソリ」
「あ?」
「サソリの命は永遠だよね」
「・・・くだらねぇこと聞くんじゃねぇよ」


サソリは視線を交えないまま頭を叩いて、持ってきた毛布を片手で私の体にかけてくれた。
そんな彼の膝に頭を乗せ、目を閉じる。
かちゃかちゃ、という音が妙に心地よく、そして安心した。


「・・・オレはここにいる」
「・・・ん」


だから安心して寝やがれ。
そう言って、サソリは私の瞼を優しく撫でた。

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