「え、超イケメン」


大蛇丸様についてきてやってきたへんなところで、えどなんちゃらってのをされて出てきたかつての火影たち。
姿形は十人十色、それでも一際あたしの目を引いたのは、白髪の鋭い瞳をした二代目火影だった。

真剣な話が始まる前に、いいですか?と大蛇丸様に了承を得る。
あたしのミーハー心を知っている大蛇丸様は、その好奇心がちょっとやそっとでは収まらないことも知っていた。
真剣な話をしに来ていたサスケがぎろりとあたしを睨む。
ごめんって、と軽く手を上げて、あたしは二代目火影に近づいた。


「む?誰ぞ?」


近くにいた初代火影があたしの顔を覗きこむ。
うん、初代もそこそこ顔は整ってるけど、うん、うん。


「二代目火影、超イケメン!」
「・・・・・は?」


その場の空気が一瞬にして変わった。
やれやれと首を振る大蛇丸様。呆れてため息を吐く水月と重吾。
イラついているのか、サスケも重苦しい息を吐いて腕を組んだ。

さて、目前にいるこの男性。
二代目火影、扉間さん。

細い目をこれでもかというくらいに見開いて、あたしを凝視している。


「な、にを・・・」
「娘、いけめんとはなんぞ?」
「初代の時代で言えば、ハンサムってことですかね」
「はん、さむ・・・扉間がか?どこがだ?ワシの方が数倍いけめんであろう?」
「兄者、それは如何なることだ」
「あたしは初代より二代目のほうが好みです。いいですねその鋭い瞳」


ずぅん、と負のオーラを出し始めた初代をスルーして、扉間さんに詰め寄る。
若干困った顔をした扉間さん(やばいツボ)は、視線をさ迷わせて四代目を見た。
苦笑する四代目。


「・・・久遠、そんな話をしにここに来たわけじゃないだろう」
「ちょっとサスケ黙ってて。あと五分で落とすから」
「死んだヤツ落としてどーすんだよ・・・ったく・・・」
「水月もうるさい」
「やめときなさい二人とも。こうなった久遠が止まらないことは百も承知でしょう」
「さすがです大蛇丸様。分かってらっしゃいますね」


ぐぐ、と唇がくっつきそうな距離まで距離を縮めると、扉間さんの頬に赤みがさした。


「近いぞ、娘。このワシ含めたかつての火影達をわざわざ黄泉の国から呼び戻したのだ、貴様のこの茶番に付き合うのが本来の目的では、「いいですね。もっと睨みを効かせながら怒鳴るように言ってくれたらもっとクるんですけど・・・」・・・は?」
「二代目扉間さん、あなたのその鋭い目、冷静な思考、生真面目すぎる性格・・・・ツボです」
「は、は・・・?」
「もっとあたしのこと睨んでくれませんか」


なに言ってんだこいつ、というかのような空気。
近すぎる距離に耐え切れなくなったのか、扉間さんはバッと顔を逸らしてしまった(残念)。


「ああん、視線をそらしちゃダメですよ」
「・・・なっ、ちょ、やめろ・・・!」


頬に手を添えて、もう一度視線を交わす。
それから徐々に顔を近づけていって、


「・・・・・・・・・・・・大蛇丸とやら!!!!!」
「はい、お仕舞いよ久遠」
「ええええええええええええええええええええええ!これからがいいところだったのにぃ」
「すみません二代目様。私達があなた方を穢土転生したのは、こんなくだらない茶番のためではありません。・・・サスケ君」


サスケがあたしを押しのけて一歩前に出る。

彼の話が始まる前に、若干の殺気を込めてあたしを睨む扉間さんに、ウインクを送る。
戦争が終わって穢土転生が開放されるまでには、扉間さんを落とす!

その惚れ癖、治した方がいいのではないか?と重吾が小さく呟いた。

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