段々と寒くなり始めた今日この頃。
雨なんか降った日は毛布にくるまる勢いの寒さだよねと隣に鎮座するオビトに言えば、じゃあオレの腕の中に来いと手を広げる彼。

一瞬フリーズした頭でもう一度聞き直せば、だからオレの腕の中に来い、と今度は無理矢理手を引かれて反抗するまでもなく彼の腕に収まるあたし。


「・・・なにこれ?」

「なにこれとは?」

「え、や、いっつもこんなことしないでしょオビト」

「今日は特別に甘やかしてやろうと思ってだな」

「なにそれ」

「なにそれとは?」

「なんで急にそんな・・・え、なにこれ恥ずかし!」

「何を今さら。キスもそれ以上のこともやっているだろう」

「いやなんか違うじゃんてか言わなくていいよそれ」


ますます恥ずかしくなってうつむいたあたし。
頭上で聞こえるオビトの含み笑い。悔しくなって胸板を小突けば、倍返しのように強い力で抱きしめられた。


「痛い」

「強くしているからな」

「苦しい」

「それだけ愛があるということだな」

「・・・」

「なにも言い返せないか?」

「もー、ばか!!」


後頭部に回った大きな手。
呼応するように上を向けば、優しい口付けが降って来た。

・・・まぁたまには、こんな日もありか。

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