部活がオフということで、今日はあたしの家に敦くんが来ることになった。
今さら気を遣う仲でもないから、部屋着のままでいいかなと鏡を見る。
短パンにTシャツ。うん、一般的な服装だよね。


「久遠ちーん」


間延びした声が玄関から聞こえて、あたしはどうしても緩む頬をそのままに駆け出す。
遠慮なく玄関に入ってきている敦くんに抱きつけば、うわ、と言いながらも危なげなく受け止めてくれた。
敦くんは大きい。そのまま抱え上げられて、リビングのソファーに移動する。


「お菓子あるー?」
「あるよ!たくさん」
「やったー、ちょーだい?」
「待っててね、あ、降ろして?」
「んー、このままオレが久遠ちん運ぶし。どこにあんの?」
「あ、じゃああそこ!」


れっつごーと大きな一歩を踏み出す敦くん。
ゆらゆら揺れるリズムが心地良い。思わず笑みをこぼせば、あたしを抱えたままの敦くんは何笑ってんの?と首をかしげた。

ただ嬉しいだけだよ、敦くん。

お菓子の袋を手に持って、またソファーに座る。
敦くんはあたしを膝の上に乗せたまま、ポテチの袋を開封した。

そのままあたしの頭に顎を乗せて、もそもそと咀嚼している。
なんだかとても幸せな気分になった。


「おいしい?」
「んー?うん、おいしい」
「ふふ、よかった!」
「あのねー、」
「うん?」
「久遠ちんと一緒だから、ますますおいしい」


って、思うよーと、敦くんは後ろからあたしを抱きしめてくれた。
嬉しくなって、回された腕に手を乗せる。


「敦くん好き!」
「ん、オレも好きー」

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