「お前はとことん忍に向かねぇやろうだな」
震えるあたしの背中に手を回して、サソリさんは言った。
そんな彼の服を、強く掴む私の手はやっぱり震えていて。
今日も幾人か、人を殺めた。
その返り血がついたままの体を、彼は不器用にも包み込んでくれる。
そのことに安心してしまう私は自分でも、忍には向いてないと思う。
「暁になんで入れたのか、今でも不思議に思うぜ」
でも、それでも、サソリさんについていきたかった。
私の全てはサソリさんで、彼がいないとどうしようもなかったから。
額当てに傷をつけるのにも戸惑った。こうやって人を殺すことも、怖くて怖くて仕方ない。それでも、
それでも貴方の隣がいい。
「・・・まぁ、あれだな。そうしてまでオレに縋りつくお前のことが」
大好きだぜ。
吐き捨てるように呟かれた言葉の裏には、確かに愛がありました。