デイダラが風邪を引いた。
目を潤ませて、こほこほと咳をして、荒い呼吸であたしを見つめるデイダラは、それはもうそそるものがあってあたしは思わずタオルをしぼることを忘れてそんな愛らしくてエロチックなデイダラを見つめ「はやくしろよ、うん!」
「えーデイダラちゃんかわいすぎてなんなの?おそってほしーの?」
「んなわけねっげほっ!?」
「さわがないの!かぜひいてんだから」
「だったらさっさとタオルよこせバカ、けほっ」
「あぁんデイダラのその真っ赤な顔っ・・・!そ、そ、るぅ!」
「だっ、ちょっ、くっつくな、うん!」
照れ屋なデイダラは、耐えきれずのし掛かり抱きついたあたしを引き剥がそうとするけど。
風邪引きさんで寝転んでる体勢なだけに、有利なのは言わずもがなあたしなわけで。
へへー、と笑って髪の毛を撫でてみれば、元々真っ赤だった顔をさらに真っ赤にして、目を逸らされてしまった。はぁん天使・・・!
「ん、はい、タオル!」
「・・・さんきゅー、うん」
冷えたタオルを額に乗せながら、デイダラはチラリとあたしを見た。
ん?と首を傾げるあたしに、デイダラは、
「・・・も、う・・・どっか行け」
「ええ〜!?」
「えーじゃねえよ、うん。だいじょうぶだからどっか行け」
「なんでー?ねがお見られたくないの?」
寝静まった頃にいつも見てるけどぐふふ。
文句を垂れるあたしに、デイダラは違うと首を振り布団に顔の半分を埋めてしまった。
・・・なんだこのクソカワな生物は!!?
「いっしょに、いてーけど・・・や、べつにいなくてもいーけど、うん・・・うつる、だろ・・・?」
「・・・っ、デイダラちゃんまじ天使!!!」
「うわっ!?おい!!うつるって!うん!」
「だいじょうぶバカは風邪引かないって言うから!今夜はねかさないよデイダラぁぁあん!!」
「寝かせろオイラ病人だぞこらぁぁあ!!」
後日、風邪をもらった久遠がデイダラに看病をせがんだことは、言うまでもない。