「久遠先輩はボクのですよね!?」
「いーやオイラんだ!なぁ、久遠?」
「どうでもいいから二人とも、手を離してくれないかな・・・」


久遠は顔をしかめながら目の前にあっても手をつけられないプリンを見つめた。
左腕をトビ、右腕をデイダラがガシリと掴んでいるため、プリンが食べたいのに食べれないと言う生殺し状態にあった。

なんだこれ私モテ期到来かそうなのか。どっちにしろ嬉しくねえ。

はぁとため息をついて無駄だとわかっていながらもささやかな抵抗をしてみる。
だがやはり無駄だった。
逃がしませんよ、逃がさねぇよと両サイドから同じ言葉を言われ、萎える。


「大体自分で食えるからいいってば・・・」


久遠の手にスプーンはない。
プリンを食べようとスプーンを探していたところ、二人に見つかりオイラがボクが食べさせるときちがいまがいなことを言ってきたのだ。

私は赤ん坊か。
お前ら過保護すぎんだろてゆーか絶対両者とも譲りたくないだけだろ。

仕舞いには久遠は自分のものだという喧嘩が勃発する始末。

誰か助けてくれお願いだから。
両腕を掴まれているため、痛む頭を抑えることもできない。


「てゆーか私は誰のものでもないからさ・・・」
「そ、そうか・・・そうだよな、うん」
「デイダラ先輩諦めましたね!これで久遠先輩は晴れてボクのものです!手始めにキスしましょう!」
「お前今私の話聞いてた!?」
「仮面つけてんだろーがトビ、てめぇにキスなんかできねぇしさせねぇよ!」
「デイダラも問題そこじゃないから!離れろ二人とも!」
「「イヤ」」
「そーゆう時だけ仲良くハモってんじゃねぇよ!!!!」


いい加減イライラしてきた久遠は、無理矢理二人から逃れる。
不満そうに唇を尖らす二人(トビは見えないがきっと尖らせているだろう)を睨みつけ、少々時間が経ってぬるくなったプリンを冷やすために冷蔵庫に入れた。

これで喧嘩も収まるだろうという久遠の考えは、甘かったようだ。


「邪魔者(プリン)も消えたことだ・・・正々堂々久遠を賭けて勝負だ、うん!!!」
「受けて立つっすよデイダラ先輩・・・!後輩の意地を見せてやります!勝負、」
「すんなし!!!!!!!!!!」


バコーンと軽快な音がアジトに響く。
次の瞬間には、涙目で頭を抑える二人がいた。


「だからお前ら何回言ったら分かんのその脳みそはからっぽか!?エエ!?」
「いや詰まってる。久遠がぎっしり」
「黙れええええええ!!!変な妄想して鼻膨らましてんじゃねぇよボケチンが!!!」
「チン・・・!?久遠先輩大胆っすね!ボクはいつでもカムオンっすよ!」
「死ねカス」


股間を蹴り上げる。
声にならない悲鳴を上げてトビはうずくまった。ざまぁ。


「これ以上付きまとったらマジで嫌いになるから。わかった?」
「んな照れんなって、うn「一回死んでその腐った脳みそ洗って来い」


久遠の気苦労は絶えない。

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