「いってぇ・・・!」
「ったぁ・・・!」
もはや日課になりつつあるあたしとデイダラの追いかけっこ。
今日もデイダラに向かってダイブ思いっきりしたら、運悪く頭と頭をぶつけてしまった。
う、デイダラめちゃくちゃ石頭・・・
じんじんと痛む額を押さえながら、謝るべく(あたしだって常識は兼ね備えてるもん)顔を上げる、
「・・・え、」
「・・・っはぁ!?」
フリーズした。
目の前にはなぜかデイダラじゃなくてあたしがいて、あれ?あたし影分身なんて芸当できたっけ!?
目の前にいるあたしは、あたしを凝視して慌てだした。
「なんっ、なんでオイラが目の前にいるんだ!?うん!?」
あ、影分身じゃなかったのか。
***
「つまりそういうことだね」
「どーゆうことだよ!」
デイダラの声で言ったあたしの言葉に、あたしの声でデイダラが突っ込む。
・・・すごく、違和感。
だけど、だけどこれって!!
すごくチャンスなんじゃなかろうか!!
「デイダラの口でいろんな恥ずかしいことを言う!」
「やめろおおおおおおおおおおおお!!!!!」
思いっきり口を塞がれた。
もがもがと言葉になってない意味不明な音を発しながら、バランスを崩したあたし(見た目デイダラ)は仰向けに倒れる。
「いっ」
「う、悪ぃ・・・」
みなさんお分かりだろうか。
とても美味しい構図が出来上がったことをっ・・・!
倒れた→デイダラ(見た目あたし)が上→あたし(見た目デイダラ)が下→デイダラがあたしに押し倒されてる!
すなわち、攻めがあたしで受けがデイダ「黙れ!!!!!」
「いいからもとに戻る方法探すぞ!」
「えーあたしはこのままでもいいんだけどなぁ」
「オイラの声であたしとか言うな!うん!」
「デイダラね、久遠ちゃんのことが大好きなんだっ!」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」