これは一体どう言った状況なんだろうと驚愕する頭をフル活動させて考える。
考えても考えても答えがでることはなくて、あたしは泣きたくなった。
神様は転生とかがお好きなのか。
それともあたしが転生しやすい体質なのか。そんな体質あってたまるか。

とりあえず、


「・・・懐かしいな、オイ」


目の前にいる高校生?くらいのサソリさんが眩しすぎる件。
隣にはデイダラが目を見開いてあたしを凝視しているし、何事かとこっちを覗いたイタチが固まった。


「え、久遠、え?」
「・・・転生の次はタイムスリップか、久遠」
「なんでそんなにかっこいいんですかみなさまがた」
「相変わらずだな」


キラキラと眩しいサソリさん達の制服姿。眼福だ。目が幸せすぎて辛い。

かっこよさに見惚れてぼーっとしていると、突然背後から抱き上げられた。
いきなりの浮遊感に、ぎゃっと女子らしからぬ声が漏れる。


「久遠!」
「うえっ、ひだ、飛段くるしっ」
「おめーなんでいんだよ!めちゃくちゃちっちぇーし!」


タイムスリップしたんだろと当たり前のようにサソリさんが言えば、飛段はあー久遠だしなぁと笑った。どういう意味だ。


「飛段オレにも抱かせろ」


有無を言わさずあたしを抱き上げたイタチの腕に収まる。
転生して幼児化した時とは全く違う、すごくたくましくなった腕にヨダレがたれそうになった。

気をしっかり保つのよ久遠。


「あいかわらずイタチはかっこいいねもうあたしイタチのかっこよさにめまいがしてきました」
「保ててねーよ、うん」


本当にヨダレをたらしてしまったあたしの口元をハンカチで拭ってくれるデイダラのツンデレ加減も健在なようで安心。

そのままくしゃっと頭を撫でられた、デイダラがデレたよデイダラが!


「ツンのわりあいがへったの?」
「なんの話だコラ、うん」
「七割三分はキープしててねっ」
「マジで相変わらずすぎてムカツク・・・!」


言いながらもそれほど怒ってなさそうなデイダラに、あたしはヘラヘラと笑う。

すると半ば強引な腕に抱き上げられ、不満げな顔をしているサソリさんの腕に収まった。

わ、顔が近い鼻血出そう・・・!


「オレの存在忘れんなクソが」
「わすれるわけないじゃないですかっあいかわらずオレ様ですねそんなサソリさんをかわらずあいしてますよっ!」


どさくさに紛れて首に腕を絡めればサソリさんが少し笑ったのがわかった。

んー、いい匂い、する。

トントンと一定のリズムで背中を叩かれ、幼児化しているあたしの瞼はすぐに重くなっていった。


「疲れてるだろ。寝ろ」
「サソリさんがやさしー・・・」
「今回だけ特別だ」


いくつもの大きな手のひらがあたしの頭に乗った。

あ、眠い。


「覚えとけ」


まどろみに沈んでいく意識の中、弧を描いたサソリさんの口元が見えた。


「お前は誰にも渡さねぇ」


あれ、これなにフラグ?


***


「ってゆう夢をみたんですよ」


ベタな夢オチで歯ぎしりしながらサソリさんに今日見た夢を話せば、呆れたように鼻で笑われた。


「もーそーしすぎなんだよ、おまえは」


どこか楽しそうなサソリさんに、首をかしげた。


「(まぁ、その言葉はあながちまちがっちゃいねぇ)」

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