子どもの体って不思議だな、うん。

ムクムクと沸き立つ嫉妬心に気づかないフリをしながら、オイラは眠る久遠を見た。

正確に言おう。
ムクムクと沸き立つ嫉妬心に気づかないフリをしながら、オイラは"旦那の腿の上に頭を乗っけて眠る久遠"を見た。

なんだそれどうやったらそーゆー状況になんだよ、うん!?


「なにみてんだデイダラ」
「っみてねぇ」
「みてんじゃねーか。くわしくはオレのひざの上を」
「みてねーよ!・・・うん」


オイラを見てニヤニヤと笑う旦那が恨めしい。
意地になって否定しても、きっと旦那には筒抜けなんだろうなと思う。
てか絶対わかってやってる。うん。


「ねむそーにふねこいでたから背中なでてやったらぽっくりだぜ」
「・・・へー」


それでもやっぱり意地になって興味のないふりをしてしまう。
無意味だってわかってても、これがオイラのささやかな反抗。

久遠がなんの夢を見ているのか、幸せそうに笑った。


「・・・でーだら、ちゃん・・・」
「っ!?」


旦那の顔が不満そうにしかめられても、顔が熱くなるのをとめられなかった。

だって、これ、・・・嬉しすぎんだろ・・・

オイラを追いかけてる夢か、久遠が小さな手を伸ばしてきた。


「・・・ゆめのなかまで、追いかけてくんな・・・うん」


そっと握れば、久遠は小さく笑って、


「・・・つーかまえ、た」


あぁ、好きだな。
それこそ、不機嫌な旦那のことなんかどうでもよくなるくらい。

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