「久遠〜」
今日の不死コンビは、リーダーに休みをもらって暇をもて余していた。
普段から暇をもて余している久遠は、そんな不死コンビの格好のターゲットになる。
飛段は久遠の頭に顎を乗せながら、暇だーと呟いた。
「ひーまーだー」
「あーたーしーもー」
「なんかすることねー?」
「ねー」
「なんだよクソがー」
「クソって言う方がクソだー」
「・・・なんなんだお前ら。わざわざオレの部屋まで来て暇を弄ぶな」
だって暇なんだもん。
飛段と久遠が口を揃えて言った。
角都はイラッとした。
なんだこいつらウゼェ。
「角都なんか暇潰せるもんねーのかよぉ」
「ない。出ていけ」
「そーなこと言わずにさっ」
「ないと言っているだろう。オレは金を数えるのに忙しいんだ。出ていけ」
それだっ!
と飛段と久遠はまた声を揃えて瞳を輝かせた。
角都はイラッとして、同時に嫌な予感がした。
なんとしてでも金を死守せねば・・・!と本能が告げた。
「手伝いは不要だ」
「ゲハッ!んなこと言うなって角都ゥ!」
「ひとりより三人の方が効率いいよ!」
「逆に効率が悪くなりそうだから言っている。そして早く出ていけ」
まぁまぁそんなお堅くなりなさんなって〜と胡麻すりしながら近づいてくる久遠。
角都は全力で久遠の頭をひっつかみ、行く手を阻んだ。
「いたっいたたただだだ!?」
「おい角都、久遠いじめんなよー」
「ち か づ く な」
「ごめんなさいすみません痛いです角都さん!」
久遠は痛みに屈した。
その光景を見ていた飛段はケラケラと笑っている。
久遠は他人事のように笑う飛段をキッと睨み付けた。涙目だ。
「飛段のクセに!」
「どーゆう意味だよ」
とりゃーと久遠に襲いかかる飛段。
収まりそうにないにぎやかさに、角都はため息をついた。
まぁたまには、こんな日もありか。