イタチver.


「・・・え、」
「・・・?」
「あああ、あの、イタチ兄、さん・・・?」
「おれですか」
「いいいやなん、え、えっ!!?」
「おれはうちはイタチです。あの、ここはどこですか」


幼児化してらっしゃる!?

久遠は自分より小さいイタチに悶え苦しんで死にそうになった。


「しつれーですが、あなたの名前は・・・?」
「あ、久遠、です・・・だよ」
「久遠おねえさんですか?」
「(ぅはっ)う、うんそう」
「あの、ここはどこですか?」
「抱きしめていい?」
「え?」
「あ。ああいやなんでも。えーっと、ここは・・・アジトだよ(いかん本音が)」
「あじと?だれのあじとですか?」
「(ダメだ自分を制御できない)ねぇやっぱり抱きしめていい?」
「おれを、ですか」
「うん!!」
「(このおねえさん、げんきであかるくてえがおが、まぶしい)」
「ごめんねもう我慢できない!!」
「わっ」


久遠はイタチの小さな体を抱き上げて、思いっきり抱きしめた。
驚いたイタチだったが、力で勝てるはずもなくおとなしくされるがままだ。


「イタチ兄さ・・・イタチくん、すっごい可愛いよ!!嫁にもらいたいくらい!!」
「おれはおとこです」
「わかってるよ!!ああもう可愛いなぁ・・・!!」
「(なんだろう、すごく・・・すごく、安心する)」
「? イタチくん?」
「およめにはなれないですけど・・・おむこさんにならなってあげます」
「・・・・・・・・・ぐっはあああ!!!」


戦闘不能。


***

サソリver.


「おいクソアマ」
「え、・・・もしかしてサソリさん?」
「あ?てめーなんでおれの名前しってんだ?」
「い、いやいやいや・・・え?マジ?」
「? まぁいいや、ここどこだ?おしえろ」
「(こんな小さい頃から口が悪かったんだ・・・)」
「だまってねぇでおしえろよブス」
「ぶっ・・・!?(この子口悪い!!口悪いよ!!?)」


久遠は今よりもっとオレ様なサソリと目線を合わせるためにしゃがみこんだ。
ムッと口を引き結んでいるサソリ。
胸中を渦巻いたのは、愛おしさでしかない。

それに、不安そうにあたりを見渡すサソリ。
久遠の心は完全に射抜かれた。


「大丈夫だよ、サソリくん。お姉ちゃんが一緒にいてあげる」
「あ?おれは、ここがどこかきいてんだ、」
「大丈夫大丈夫。もうすぐ迎えが来るからね」
「っ、まつのはきらいだ・・・」


頬に流れた涙を、拭って。
サソリは自分を抱きしめる久遠の肩に顔を押し付けた。


***

デイダラver.


「幼児化デイダラっていったら、やっぱ粘土遊びでしょう」
「なにいってんだ?うん」
「はい粘土。これで遊ぼ?(デイダラの部屋から勝手に拝借したけど)」
「っおお!!ねーちゃんもねんど、すきなのか?」
「そんなキラキラした目を向けないで!好きだよちくしょう!!(デイダラが!)」
「オイラもねんどすきだぜ!うん!」
「なにつくるの?」
「ぞうさん」


久遠はめまいがして床に手をついた。
デイダラが慌てて久遠の顔を覗きこむ。


「(デイダラがぞうさんっ・・・ぞうさんって・・・!!!)、だ、大丈夫」
「そ、そうか?ならいいけどよ、うん」
「それよりつくろうか、ぞうさん」
「もうつくったぜ?」
「はやっっ」
「これやる、うん」
「え、いいの?」
「・・・ねんどもすきだけど、ねーちゃんもすきだからな!」
「(ずっきゅーん!!!)」


再び戦闘不能。

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