大蛇丸の件があってから、アジトには最低ひとりかふたりはメンバーが残ってくれるようになった。
ゼツゼツゼツとゼツ続きでうんざりしていた(殴られるから言わないけど)今日、とうとうゼツすらも任務でいなくなるらしい。よっしゃキタ!
久しぶりにイタチ兄さんとか芸術コンビが残ってくれないかな。もしくは飛段。
なんていうあたしの望みも虚しく、みんな任務が入ってるらしい。
駄々をこねてみても、まぁ現実が変わるわけもなく。
もしやこれってまさかの、と思えば案の定・・・
「来てあげたっスよー!!」
「できれば来てほしくなかった!!」
トビが来た。
くそうそれなら雨隠れ連れてけ。
「今日はリーダー達も出払ってるんスよ」
「トビならゼツのほうがいいーっ」
「ほう」
「嘘ですごめんなさい」
いきなりマダラに戻るのは心臓によろしくないから、止めていただきたいな。
・・・ん?マダラ?マダラ・・・
・・・おもしろいこと思い付いた!
「マダラの仮面の下を、」
「却下だ」
「即答!ていうか最後まで言わせてよ!」
「言わせたところでなんになる?答えはいつもノーだ」
「真実はいつもひとつですねわかります」
不意打ちで仮面に手を伸ばしたら、太ももをつねられただだだっ!
コイツ容赦ねぇな!!?
「ちょっマダラさんのエッチ!」
「安心しろお前を女だと思ったことはないからな」
「なんか一気に捲し立てられるとムカツク」
「本心だ」
「さらにムカツク!」
殴ろうと伸ばした手は、スカリと体をすり抜けた。
くっそこの野郎が・・・!
ドヤ顔(見えないけどたぶんドヤ顔)ムカツクな・・・!!
「ちぇー、オビトかっこいいのになぁー」
「、・・・」
・・・お?
なんか今、揺らいだ?
「・・・めーっちゃあたしのタイプなんだけどなぁ!」
「・・・」
穴が空いてる部分から、赤い瞳を覗く。
「オビト?」
「・・・っ、」
「顔、見たいなぁ・・・?」
必殺・首を傾げて上目遣い!
こ う か は バ ツ グ ン だ!
マダラはゆっくりと仮面に手をかけた。
生で見るのは初めてだから、胸が高なる。
「・・・俗に言う、なんちゃってだ」
「・・・は?」
「仮面をはずすわけがないだろう」
「はぁあ?」
「それにさっきの仕草、はっきり言って可愛くもなんともなかったぞ」
「ふざけんなオラアアァア!!!」
くつくつと喉の奥で笑いながら、マダラはあたしの髪の毛をかき混ぜた。
「いつか、いつか絶対外してやるっ!!!」
「また変な闘争心を・・・」
「煽ったのはオビトだからね!くそぅ変に期待させやがって今に見てろ!!!」
「(・・・こいつの前なら仮面を外してもいいと思ってしまうな・・・)」
そんなオビトの心境を、あたしは知らない。