あたしは今、木ノ葉の門の前にいる。
大きな字で「あ」と「ん」が書かれた門の前で、隣に並んだイタチ兄さんが素早く印を結んだ。
真剣な眼差しが今日もナウいです兄さんっ・・・!
「・・・行くぞ」
「あいあいさー!」
いざ、木ノ葉の甘味屋へ!
***
「おいしい!」
「・・・」
無言で三色団子を頬張るイタチ兄さんなにこのおいしい画!!!
あたしは手元の団子を食べることも忘れてイタチ兄さんをじっくり観察した。
長いまつげ、赤い瞳、サラサラな髪の毛、なによりイケメン!
わがまま言って連れて来てもらえてよかった!
イタチ兄さんが若干眉をひそめてあたしを見る。
きゅん。
「食べないのか」
「イタチ兄さんを食べたいはいごめんなさい食べます食べます!」
あたしの団子に手を伸ばしたイタチ兄さんから逃れ、あたしは一口口に含む。
「・・・おいしい!」
「だろう?」
ふわりと微笑んだイタチ兄さんやばい萌え!!!
また食べることを忘れてしまいそうになりながら、あたしはなんとか食べ終えた。
少し気持ちに余裕ができた頃、辺りを見渡す。
甘味屋は人気なのか、以上にカップルが多かった。
食べさせ合いこしてるリア充末長く爆発してください。
もう食べてしまった団子を見つめる。くそうあたしもイタチ兄さんにあーんしたかった・・・!
受けでも可。
「そろそろ出るぞ。長居はあまりよくない」
「はーい・・・また来ましょうね」
「機会があれば、な」
言いながらあたしの手をとるイタチ兄さん。
その微笑んみだけであたしは満腹ですありがとうございます。
甘味屋を出る。
よく知った人影に、あたし達は足を止めた。
「や、またまた今度は女の子とデートか?・・・イタチ」
「・・・カカシさん」
あっれーこれってヤバくないか かなりヤバくないか!!?
人通りが多いここでさすがに戦闘はないだろうけど、逃がさないとでも言うようにカカシ先生のがギンギラ光ってる。
あたしは焦ってイタチ兄さんを見上げた。
「案ずるな、久遠」
「おやまあ随分仲良いんだね。ま、そっちの子も拷問させてもらうけど」
「拷問はいやですね・・・」
拷問と言う響きに、あたしは顔をしかめた。
ダルそうにポケットに手をつっこむカカシ先生、そのまま見逃してください。
「っわ!!?」
「しっかり掴まっておけ」
「え、」
舌を噛むなよ。
そう言うやいなや、イタチ兄さんは自慢のスピードで走りだした。
これ音速じゃないの顔つぶれる息ができない!
あたしはイタチ兄さんの胸に顔を押し付けて必死にしがみついた。
甘い匂いがした。
***
無事に逃げ切った時、イタチ兄さんはどこか楽しげな様子であたしを降ろした。
「イタチ兄さん」
「なんだ?」
「また行きたいです!」
「・・・そうだな」
次の約束を胸に、あたしはあの甘い一時を思い出すのだった。
「また、行こう」
優しいイタチ兄さんは、きっと約束を違えない。