物置、みたいなものがあってそこをあさっていたら、なんともこれ本当に暁のアジトなの?と疑りたくなるようなものが出てきた。
緑色の基盤の上で、白と黒の円盤をひっくり返して遊ぶ、アレ。


「なぜオセロ」


思わず声に出して言ってしまった。
いやだっておかしいでしょ。暁でそんな、のほほ〜んとした遊びやんの?
え、誰と誰が?年配組?(角頭とかマダラ)いやいやありえないって。
でも・・・でも!!サソリさんとイタチ兄さんが優雅にお茶を飲みながらやってるとこ想像しただけで・・・!ん、やべ鼻血が。
ほう・・・なかなかやるなイタチ。そんなことありませんよ。うふふあははみたいな?


「久遠顔が変だよ?」「ヤケニ気持チ悪イ顔ヲシテイルナ」
「けっ、気配もなくゆゆ床から現れないでくれ、くれっるかな・・・!!」
「あはは、ビックリしすぎだよ」


突然現れた緑の物体に、真面目に心臓が飛び出るかと思った。
あたしの反応を見て、ゼツ(主に白ゼツ)がからからと笑う。笑い事じゃねぇよ、死んだらどうしてくれるんだ。


「その時は心配しなくても、ちゃんと食べてあげるよ」
「ありがとうとか言えるわけない」
「素直ニ感謝シロ」
「だからありがとうとか言えるわけないって」


そうやってあたしをいじめて楽しいのかと言えば、ゼツは大きく頷いた。
白ゼツだけじゃない。今絶対黒ゼツの意思も混じってた!!

そしてふと思い出す。手元にあるオセロ。
・・・わお、ゼツって今思えばオセロをイメージして作られたのかな。
元がオセロって。ぷぷ。


「あーなんか失礼な顔ー」「腹ガ立ツナ」
「いやいや思ってない。ゼツってオセロをイメージして作られたとか思ってないぷぷ」


表情が読める白ゼツは、ムスーと口をへの字に曲げてあたしの頬をびにょーんと伸ばしてきた。
痛いよ。久遠が変な顔で変なこと言うからだよ。失礼ナ奴ダ。だってほんと、ゼツってオセロでしょそれしか考えられないでででで!!それ以上言ったら顔の原型なくなるよ?ごめんなさい。

ゼツと居るときは、比較的平凡な会話をすることが多い。
あっちの世界でいう、クラスメイトでもちょっと仲が良くて気の合う友達なんだろうなあ、と思う。
ゼツー一緒にご飯食べよ。いいよ〜みたいな。

うふふあははなサソリさんやイタチ兄さん、デレデレデイダラちゃんやお兄ちゃんな飛段とはまた違う意味で、ゼツは好きだ。なんとなく一緒にいて楽しい。

オセロしよ、と持ちかけたら、嫌だと即答された。
ふたりでひとつ、なあたしの友達は、性格は違えど結構似てる部分がある。

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