「お前我愛羅!いつの間にあんな可愛い子つかまえてたんだってばよ!?」
「ナルト悔しいからって食いつかないの!」
「ぼ、僕も気になりますっ!!」
・・・頭が痛くなる。
今にも掴みかかってきそうなナルトにも、それを阻止しようとしているが興味深そうにしているサクラにも、真正面から問いただしてくるリーにも。
カカシがなだめ、事はおさまったが・・・
帰り際のあのナルトの睨むようなじと目にはさすがに同情した。
・・・それより、
「・・・・・・」
先程からずっと黙りっぱなしの久遠。
どう対処すればいいものか、考えすぎて頭が痛い。
「・・・久遠、」
肩に手を置けば、くるりと振り向いて俺の目を見つめてくる。
・・・ますます対応に困る。
何をしてほしいんだ、こいつは。
「・・・、その、」
「・・・・・・・」
怒っているのか、それとも違うのか。
結構長い間一緒にいたが、それでも分からないことはある。
例えば今。
久遠は昔と同じような無機質な表情で俺を見ていた。
「・・・我愛羅」
「っ、何だ」
結婚しよう。
「・・・・・・・・・・・・・は?」
「だから、結婚しよう」
「いや・・・、」
「いやなの?」
「いや、そうではないが」
「じゃあ結婚しよう」
「だからなんでそうなる」
少しおかしい久遠の様子に、若干違和感を覚える。
いぶかしみながら次の言葉を待っていると、突然抱きついてきた。
「っ、久遠?」
「・・・・・・・・結婚したら、ずっと一緒」
「!」
「今よりもっと、傍にいられる」
・・・ああ、そうか。
俺は、俺が一度死んだことによって、こいつに言いようのない不安を抱かせてしまったのだ。
今現在生きていようとも、久遠は不安なのか。
「・・・心配するな」
「無理」
「・・・・・・・」
「我愛羅がいなくなって、わたし、どうしたらいいのか分からなかった」
背中に手を回すと、久遠はさっきよりもっと強い力で抱きついてきた。
「・・・ほんとは、結婚なんてどうでもいい、」
「ああ」
「我愛羅がいてくれれば、なんでもいい」
「分かっている」
「分かってなくていいよ、ばか」
「・・・すまない」
なんと言われようと、俺はお前の傍にいる。
今度こそ、なにがあっても帰ってくる。
「今回だって、帰ってきただろう」
「・・・うん」
死んでも、
アイラブユーと心臓が泣く
(心が叫び続ける)