今年も母さんにムネヤケするほどのチョコを食べさせられるんだろうな、なんて考えてひとりテンションを下げる。

隣で悠太がどうしたのと無表情に問いかけてきた。
こいつはさっき高橋さんからもらってたな。

もうチョコを見るだけで嫌になってきた。


「何でもねぇ」
「でも要、すんごい疲れた顔してるよ」
「いっつもでしょ、要が疲れた主婦みたいな顔してるのは」


チョコを口に放り投げながら、祐希が呟いた。
ちくしょうムカつく、大体普段オレが疲れんのはお前のせいだろうが祐希!


「今年も要はママンの猛アタックがすごいねぇ」
「・・・慣れたくねぇけどな」


言いながら幼馴染みで紅一点である久遠が、祐希の後ろからひょっこり顔を出した。

手にはいくつものラッピングされたチョコを持ってる。
色とりどりに包装されていた。


「げんなりしてるとこ悪いけど、これわたしからの餞別だよん」
「今年はまた、一段と豪勢だな」
「照れないで素直にありがとうくらい言ったらどうなの」
「なっ・・・!?照れてねぇ!」
「はいはいツンデレごちそうさまでしたー」
「てめっ、久遠!」


べしんと頭を叩けば、久遠は唇を尖らせて悠太に抱きついた。

おいコラ離れろ。


「悠太ぁー、要がいじめるぅー」
「ほらアレだよ、好きな子ほどいじめたくなるってゆう、アレ」
「かっ、勝手に決めつけんな!」


顔に熱が集まる。
要顔赤いよーなんて祐希にからかわれた、ちくしょう。


「要のは苦くしといたから!」
「・・・っ、せんきゅ」


満面の笑みで言う久遠の頭をなでる。

これがオレの精一杯。


ツンがデレる日
(にっが!)
(愛の大きさだよん)

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